研究課題/領域番号 |
17K02989
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
小林 猛久 和光大学, 経済経営学部, 教授 (40434211)
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研究分担者 |
藤尾 美佐 東洋大学, 経営学部, 教授 (20350712)
姜 京守 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30757985)
小林 稔 和光大学, 経済経営学部, 教授 (50287926)
林田 博光 中央大学, 商学部, 教授 (30102883)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | プレゼンテーション能力 / 質問力 |
研究実績の概要 |
本年度は、実業界などの実践の場が求めているグローバル人材の資質を研究することを目的として、インドネシア、シンガポール、香港、韓国、ダブリンなどで働く日本人、外国人たちにインタビューして、彼らが考えるグローバル人材像の特徴や共通点を分析した。 その結果、日本人が「グローバルに活躍できない」理由の大きな点は、「プレゼンテーション能力」足りないことであるとわかってきた。大きな会議の場だけでなく、お客に足しても、上司に対しても、それぞれに応じた「説得する」という能力が、日本人とその他の人々と大きく差がついていたのである。これは英語のうまい下手ではなく「いかに的を得た話を短くまとめて相手を説得できるか」ということであり、たとえTOEICで990点でも話が下手で、相手を説得できないという事例がいくつも得られた。 また、海外の企業ではプレゼンテーションや会議の場で、参加者が一斉に質問や意見を発言することが一般的であるが、日本人の多くは司会が質問を求めても社員で一斉に手が上がることはまったくない。遠慮、羞恥心、間違いを恐れるなどのネガティブ因子が大きな原因となっているという意見も多く聞かれた。 つまり、話(プレゼンテーション)が上手であることは人としての大きな魅力であり、そうした人は部下や同僚、取引先など周囲から尊敬され、チーム全体がその人中心にしっかりまとまる。そして、質問をすることで存在感を出し、結果を出したときにその印象が信頼に代わる。これは、国籍や文化は関係なく、調査をしたすべての企業で共通な人材像であった。 そこで、今後は単なる語学力ではなく、相手を説得できるプレゼンテーション能力、言うべきことを適切に言う質問力を、各国ではどのように育成しているか、日本でどのように育成すべきであるかにフォーカスを当てて研究することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画よりも進展があったため、平成30年度以降に実施予定であった、韓国の研究者との共同調査の打ち合わせや情報交換、インドネシアの日系企業、大学訪問による調査、香港での国際ビジネスコミュニケーション学会参加による情報収集を実施して、各国のグローバル人材に関する資質や教育課程などのシステムに関する情報を収集できた。 特に、東南アジアについては、調査結果のまとめと分析も2017年度内にほぼ終了をしている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度以降に予定していた海外における調査や学会参加を前倒しして実施したので、研究全体の調査内容や調査量には、変更はない。調査を早めたことで、データ分析を行う時間を十分に取ることができる。そして、その結果をもとにした、日本における教育手法や評価方法構築への取り組みも万全となる。特に、予定よりも早くモデルを作成することで、各種学会での発表や出版による公表も前倒しすることができ、それらのフィードバックを加えて、より効果的な研究成果を出すことを狙っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者であった、林田博光が健康上の理由で2017年度末で分担者から外れた。その際、未使用分経費の返還があったため。
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