研究課題/領域番号 |
17K02989
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
小林 猛久 和光大学, 経済経営学部, 教授 (40434211)
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研究分担者 |
藤尾 美佐 東洋大学, 経営学部, 教授 (20350712)
姜 京守 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30757985)
小林 稔 和光大学, 経済経営学部, 教授 (50287926)
林田 博光 中央大学, 商学部, 教授 (30102883) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 発信力 / 質問力 / 理解力 / セルフカウンセリング理論 |
研究実績の概要 |
本年度は、これまでの調査によりグローバル人材の資質として重要視されている、相手を説得できるプレゼンテーション能力、言うべきことを適切に言う質問力をどのように育成するべきかについて、日本での調査・実践した事例について海外の研究者と議論することにより、今後日本において実施すべき具体的な手法を研究した。 まず、日本のある企業の協力を得て、これまで5年間に渡り実施してきた社員教育にけるビジネスコミュニケーション能力育成の成果を分析し、その成果を10月に開催された、Association for Business Communicationの国際学会で、発表した。その結果、セルフカウンセリング理論を使ったビジネスコミュニケーション能力育成手法に一定の効果があることについて、多数の承認を得ることができた。しかしながら、被験者が日本の企業における新入社員(すべて日本人)であったため、その教育手法が果たして日本人以外のビジネスパーソンにも効果を発揮できるかどうかについては疑問視された。主要な研究目的は、日本人を如何にグローバル人材として育成するかであったのであるが、グローバル人材としての世界的な共通事項とその育成手法を研究することも重要な目的でもあるので、日本人への育成手法の研究に偏らず、世界各国の育成手法とその評価方法の研究をより進める必要性を実感した。 そこで、次年度は完成年度年もあるので、グローバル人材の育成手法について、韓国をはじめとした、シンガポールやインドネシアなどのアジアの状況、ヨーロッパにおける状況、日本のビジネスパーソンが世界各国で活躍している状況などをまとめて、アメリカの研究者たちとそれらを比較・研究することによって、よりグローバルな視点による人材育成と評価方法に関する手法を構築することを目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の通り、日本で調査研究した成果を、アメリカを本部とするビジネスコミュニケーションを研究する学会にて発表することができた。そして、その発表のフィードバックにて、日本人をグローバル人材化する手法が他の国でも効果を発揮できる可能性や、日本だけではなくアジアとしての研究に広げる意義も見出すことができた。今後は、韓国の研究者との交流を増やして、アジアにおけるグローバル人材育成に関する一般化と欧米諸国との比較を進めていく手筈を付けることできた。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度に予定していた海外における調査や学会参加を一部前倒しして実施したが、研究全体の調査内容や調査量には、変更はない。調査を早めたことで、データ分析を行う時間を十分に取ることができる。そして、その結果をもとにして作成した日本における教育手法や評価方法について、再度海外の研究者と議論、検討することにして、より効果的な研究成果を出すことを狙っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
100,000については、一人の分担者が校務等の事情で、2018年度に予定していた調査出張が実施できなかったことに起因するが、2019年度にその調査は実施する予定であり、その実施により研究計画は変更なく実行される。17,893については、研究代表者が2019年度の調査を前倒しして、実施した結果の残金である。この前倒しによって、2019年度は十分な分析時間を確保できることとなった。本残金については、2019年度に予定している国際学会への参加費用として充当する。
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