研究課題/領域番号 |
17K02993
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 美津子 大阪大学, マルチリンガル教育センター, 講師 (70732840)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 学習環境 / グループワーク / グループ・ダイナミックス / 個人差特性 / 動機づけ / 英語熟達度の調整効果 |
研究実績の概要 |
近年、学習者が主体的に学習に関与するアクティブ・ラーニングを実施する授業が増えてきた。アクティブ・ラーニングを行う際には協働学習・グループワークを取り入れることが多いが、学習者が身を置くグループの環境はグループによって異なる。これまでのところ、学習環境によって動機づけなどの個人差特性が変化しうることは報告されているが、学習環境として比較的少人数のグループに着目した研究は少ない。そこで、本研究では、グループワークを取り入れて英語学習を行う学習環境に焦点を当て、グループワーク環境と学習者の個人差特性の関係を検討することを主目的とする。 本年度は、グループワーク環境と動機づけ、学習成果との関係と、グループワーク環境と動機づけの関係に対する英語熟達度の調整効果を検討した。分析の結果、グループワーク環境は学習者の英語熟達度に関係なく動機づけに影響を及ぼしうること、グループワーク環境は動機づけを通して学習成果に間接的に影響を及ぼしうることが明らかになった。この研究成果は6月と3月に開催された国際学会(PLL3とTESOL2019)と9月に開催された動機づけ研究会において発表した。また論文についても執筆を終え国際誌に投稿したところである(現在査読中)。尚、本年度に質問紙開発に関する論文の執筆を計画していたが、上述の投稿済み論文の一部に組み入れたため、質問紙に係る論文については、質問紙の妥当性(構成概念妥当性)に焦点を当て執筆した(現在査読中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収集したデータをもとにグループワーク環境と動機づけ、学習成果との関係と、グループワーク環境と動機づけの関係に対する英語熟達度の調整効果を明らかにし、その成果を国際学会と研究会で発表した。また、論文についても執筆を終え国際誌に投稿した(現在査読中)。本年度に計画していた質問紙開発に係る論文の執筆についても、当初の計画を変更したものの、その一部を上述の投稿済論文の中に組み入れ、また、質問紙の妥当性(構成概念妥当性)に関する論文も執筆した(現在査読中)。そのため、「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、グループワーク等を用いた英語学習に対する動機づけに影響を及ぼしうる個人差要因を検証し、その成果の一部を学会で発表し、論文の執筆・投稿も目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた学会への参加(旅費の使用)ができなかったため残金が生じた。次年度の出張旅費として使用する予定である。
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