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2017 年度 実施状況報告書

異文化コミュニケーションにおいてパーソナリティが非言語行動と感情表現に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 17K02997
研究機関阪南大学

研究代表者

曹 美庚  阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30351985)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード異文化コミュニケーション / 文化差 / 非言語行動 / 身体接触 / 発達段階 / 文化内在化
研究実績の概要

本研究では,異文化間コミュニケーションの場面において,個人のパーソナリティが非言語行動と感情表現にどのような影響を及ぼすのかを実証的に検討することを研究の目的としている。当該年度において,非言語行動としての身体接触行動に関する既存のデータを分析し,発達段階における身体接触行動の日韓間の相違を論文にまとめた。具体的には,幼稚園から中学校までの発達段階ごとに,親子間で行う身体接触度合いの推移を考察し,発達段階別の身体接触行動について,日韓差を検討した。日本の関西地方の幼稚園児と小・中学生(計520名)の両親と韓国のソウル市と大邱市の幼稚園児と小・中学生(計577名)の両親を対象に質問紙調査を行った。分散分析の結果,幼稚園期と中学生期において,韓国の方が日本より身体接触度合いが高かった。小学生期は,両国の両親はほぼ同程度の身体接触を用いながら子供を養育しているが,中学生期には日韓の間で身体接触行動にとりわけ大きな変化が見られ,日本では親から子供への身体接触が急減するという結果が示された。このような結果は,中学生本人を対象とした調査結果からも裏付けられた。中学生期は自我の発達が著しい発達段階であることを踏まえると,この期における日韓差は身体接触に対する文化規範の内在化の表れであると解釈できる。なお,大学生の振り返りによる発達段階ごとの接触経験度と,各々の発達段階の子供を持つ両親の現在の接触経験度は,日本の男子大学生の場合を除けば概ね一致しているといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既存の手持ちのデータを分析し,発達段階における非言語行動としての身体接触行動の日韓差を論文にまとめた。また,パーソナリティが感情表現に及ぼす影響について学会発表を行っており,研究の進捗はおおむね順調といえる。

今後の研究の推進方策

パーソナリティ関連の研究をまとめる一方,感情表出に関する実験の組み立てを精緻化する。

次年度使用額が生じた理由

謝金の使用額がゼロであったため繰越額が発生したが,次年度計画に影響を及ぼすほどの額ではない。次年度は,パーソナリティ関連の研究をまとめることにしており,その際,既存の手持ちのデータを分析する際の謝金として使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 発達段階における親子間の身体接触に関する研究ー日韓の幼稚園児と小・中学生の両親からの報告を中心にー2018

    • 著者名/発表者名
      曺美庚・釘原直樹
    • 雑誌名

      対人社会心理学研究

      巻: 18 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 親しい相手との身体接触に関する日韓比較研究2017

    • 著者名/発表者名
      曺美庚・釘原直樹
    • 雑誌名

      応用心理学研究

      巻: 43 ページ: 45-53

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 感情伝達における非言語チャネル使用の普遍性2017

    • 著者名/発表者名
      曺美庚・釘原直樹
    • 雑誌名

      日本社会心理学会第58回大会発表論文集

      巻: 58 ページ: 250

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 感情伝達における非言語チャネル使用の普遍性2017

    • 著者名/発表者名
      曺美庚・釘原直樹
    • 学会等名
      日本社会心理学会

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公開日: 2018-12-17  

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