今後の研究の推進方策 |
「感謝」は,相手から何らかの恩恵を受けることによって認識される感情であり,日韓いずれにおいても,喜びや嬉しさを含んだ肯定的感情と罪悪や負債感を含んだ否定的感情の両方を併せ持つ複合的感情として捉えられる(Layous, Lee, Choi, & Lyubomirsky, 2013; 藤澤・内藤,2015; 蔵永・樋口,2011)。そのため,感謝の意味合いには文化的背景による相違が想定され,異文化コミュニケーションの文脈ではとりわけ重要な感情であると考えられる。 感情研究における近年の動向の一つとしては,医療用の脳波計測実験装置を用いた脳波検査(EEG: Electroencephalography)を実験に取り入れた研究がよく見受けられるようになってきた。そこで,次年度は,感謝の感情を中心にさらに深く文献研究を進めるとともに,生理的測定や脳波測定など新たな研究方法論の本研究への応用可能性についても検討を行うことにする。
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