研究課題/領域番号 |
17K02997
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
曹 美庚 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30351985)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 異文化間コミュニケーション / 文化差 / Web会議 / 仮想背景 / カメラオン / 感情表現 / パーソナリティ / 非言語行動 |
研究実績の概要 |
本研究では,異文化間コミュニケーションの場面において,個人のパーソナリティが非言語行動と感情表現にどのような影響を及ぼすのかを実証的に検証することを研究の目的としている。 当該年度は,新型コロナ禍の影響で移動や集合が制限され,身体接触型のコミュニケーション・スタイルが敬遠されるようになり,オンラインによるリモートワークや会議が急速に普及したため,コロナ禍下のオンライン会議等における感情表現としての非言語行動に焦点を当てた観察的考察を行うことができた。 一般に,顔による感情表現においては,欧米では口を中心とした顔全体が使用され,日本では目の使用が注目されるといわれており,そのことが欧米と日本の文化差として指摘されている。ただ,カメラの位置によるアイコンタクトの困難性が関連するため,本研究では,オンラインのリモート会議参加時の背景使用とカメラオンによる参加の如何に焦点を絞って非言語的感情表現の観察を行った。 その結果,実背景でカメラオンの参加者,仮想背景でカメラオンの参加者,カメラオフ状態の参加者のグループがあり,Web会議での感情表現と非言語行動にも文化差やパーソナリティの影響があることが推察された。 今後,web会議などのオンライン・リアルタイム・コミュニケーション時に表出される感情表現に使用される非言語行動を含め,ポストコロナにおける異文化間のコミュニケーション・スタイルの変化に注目していくことにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ禍で,オンラインでのリモート授業の準備等により,研究に取り組む時間が十分には確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に行った,オンラインのリアルタイム会議参加時の背景使用とカメラオンによる参加時の非言語的感情表現の観察により,実背景の使用やカメラオンにおいて一定の文化差が推察された。今後の研究の中で,より本格的で繊細な観察調査が求められるため,オンラインのリアルタイム・コミュニケーションにおける非言語的感情表現の表出を含め,ポストコロナにおける異文化間のコミュニケーション・スタイルの変化についても考察を行うことにしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ禍下でのリモート授業の準備等により,研究に取り組む時間が十分確保できなかったため,研究費をほとんど使用できなかった。新型コロナ状況下で,実験等が実施できない可能性を鑑み,研究の限界を補えるような工夫として,Web調査や関連資料の購入等を検討している。
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