• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

異文化コミュニケーションにおいてパーソナリティが非言語行動と感情表現に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 17K02997
研究機関阪南大学

研究代表者

曹 美庚  阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30351985)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2024-03-31
キーワード身体接触 / パーソナリティ / 文化差 / 文化内在化 / 非言語コミュニケーション / 発達段階 / 異文化コミュニケーション / 感情伝達
研究実績の概要

本研究では,異文化間コミュニケーションの場面において,個人のパーソナリティが非言語行動と感情表現にどのような影響を及ぼすのかを実証的に検討することを研究の目的としている。当該年度においては,異文化比較研究法を用いた身体接触に関する研究の歴史と現状,および研究動向と課題についてまとめた。1960年代から2000年代までは,各々の文化における接触行動の特徴や異質な文化間の相違などが議論されてきたが,2000年代以降,身体接触行動を総合的に理解するためのアプローチとして,文化要因をベースとしながらも性やパーソナリティ要因を分析枠組みに取り込み,複数要因による複合的な影響を検討する動きが見受けられるようになった。さらに,異文化比較研究において,類似文化間の相違に注目する動きも現れた。類似文化間の研究では,発達的観点にも注目が集まり,自我の発達や文化内在化が著しく進行する中学生期に,接触規範にかかわる文化内在化が進む結果として身体接触の文化差が現れることも確認された。類似性の高い文化間のコミュニケーションにおいては,共感度が高いという良さもあるが,かえって文化の相違が十分想定されずにコミュニケーションが図られ,意図せぬ誤解を招くことがしばしばある。それゆえ,実証的な方法を用いた類似文化間の比較研究の蓄積を通じ,同質文化圏内の異質性を明らかにし,その含意を検討することは異文化比較研究における主要課題の一つといえる。また,身体接触は気持ちや感情を伝えるための最も効果的な手段であり,他者への肯定的又は否定的な身体接触は,愛・同情などの親密感又は嫌悪感を表す自己表出ともなりうるため,感情伝達における身体接触行動の相違に注目する異文化比較研究は,友好な対人関係構築をめぐる議論を深めていくうえで有効なものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

リモート授業と対面授業の併用や本務校での学部統合に伴う仕事等により,研究に取り組む時間が十分に確保できなかった。

今後の研究の推進方策

実験で得たデータをより詳細に分析し,特に「感謝」の感情の表現について検討を行う必要があると考える。韓国ドラマ等での感謝の表現からは,「肯定的な感情としての感謝」の表現のみならず,「負債という否定的な感情としての感謝」の表現においても接触チャネルが多用されているようにうかがえることから,感謝の感情を中心にさらに研究を進めることにしている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ禍状況で,リモート授業と対面授業の併用や本務校での学部統合に伴う仕事等により,研究に取り組む時間が十分に確保できなかった。統計解析のソフトの購入や研究発表のための旅費,関連資料の購入などを検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 応用心理学ハンドブック2022

    • 著者名/発表者名
      日本応用心理学会、応用心理学ハンドブック編集委員会、藤田 主一、古屋 健、角山 剛、谷口 泰富、深澤 伸幸
    • 総ページ数
      858
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      978457120087-8

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi