研究実績の概要 |
本研究では、外国語としての日本語(JFL)と英語(EFL)を学ぶ学習者が、日本または英語圏への留学を通してどのように目標言語を習得するのかを調査・分析することを目的とする。対象とするのはモダリティと呼ばれる言語形式であるが、特に認識的スタンス(Epistemic stance)を表す言語表現の使用に着目し、どのような発達段階を経て目標言語を運用するようになるのかを考察するものである。さらに、これらの研究結果を踏まえて、JFL, EFLにどの段階で何を教えるべきか、あるいは教えなくても良いのかを検討し、それぞれの発達段階に合わせた効果的な教室指導を提案する。 最終年度は、これまでの研究結果をまとめ、発表・出版することを重視した研究実施計画を立てていたが、コロナ禍による本務校での教務・業務量の増大と学会開催の延期や中止、研究者間の打ち合わせのための出張の自粛などが相次ぎ、計画通りに実施することが極めて困難であった。 その中で、国際学術雑誌Applied Pragmaticsへ"Epistemic stance in L2 English discourse: The development of pragmatic strategies in study abroad"と題した研究論文を投稿し、査読者からのフィードバックをもとに大幅な書き直しを経て、2021年の出版が決定した。また、2020TESOL Arabia学会(オンライン)にてEpistemic stance markers: Tools for conversation navigationを口頭発表し、2021年に開催される第17回国際語用論学会(IPrA)への発表要旨Pragmatic strategies in study abroad, with a focus on I thinkも採択された。
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