研究課題/領域番号 |
17K03008
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
高橋 美由紀 愛知教育大学, 教育実践研究科, 教授 (30301617)
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研究分担者 |
柳 善和 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40220181)
山内 優佳 広島文化学園大学, 学芸学部, 講師 (40781365)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 主体的・協働的な学び / 読むこと、書くこと / CAN-DO評価 / 小学校英語 / オーストラリアの母語教育 / ロシアの外国語教育 / 文字指導の評価 / カリキュラム開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、小学校英語教育で、学修者の主体的・協働的な学びによる「読むこと」「書くこと」を含めた4技能を統合的、総合的に指導するカリキュラム開発及びその指導に基づいた「CAN-DOリスト」による評価プログラムを構築し、教育実践の場に具体的に提示することである。 平成29年度は、アクティブ・ラーニングを活用した小学生の特質を活かした英語教育についての文献や事例研究の論文などの文献研究、情報収集や調査研究を主に行なった。具体的には、文字を統合的に扱う指導についての先行研究として母語教育のイギリスやオーストラリア、第二言語教育のシンガポール、外国語教育でのロシア、ギリシアなど、文字指導を行っている諸外国の教材教具、教育内容、指導法、カリキュラム等の事例を詳細に収集した。また、「主体的な学び」についての研究では、日本の小学校から高等学校での授業を参観し、学習者の効果的な指導についても調査した。さらにまた、国内の小学校における「読むこと」「書き写すこと」「書くこと」においてCAN-DOリストに基づいた評価での実証研究を小学校4年生と6年生に行なった。そして、これらの効果についての検証を今後行なうつもりである。 これらの研究を踏まえて、小学校英語の「教科化」「学修者の主体的な学び」の視点から、中学校英語教育へ繋げるための小学校段階に効果的な「文字導入」や「読むこと」「書くこと」及び「4技能の学習を統合的に扱う指導」について検討し、これらを踏まえた上で、新学習指導要領における移行期の教材『We Can!』『Let's Try!』を活用した学年別の段階的な指導法及び教材、カリキュラム、評価規準、学修者の到達度等について、事例研究として発表したり、教員研修の講演などを行なった。 さらに、小学校外国語教育におけるカリキュラム開発について検討し、学会誌をはじめとして、論文発表、著書を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献研究や諸外国での情報収集、CAN-DOリスト評価作成と実証研究など、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、学修者の主体的かつ協働的な学びを重視した教育で、小学校英語教育において「読むこと」「書くこと」の基礎的な能力を身につけさせることを目的とする言語教育について調査研究を実施する。具体的には、(1)言語政策とカリキュラムの情報収集、学修目標とその評価、(2)第二言語や外国語として、児童に適した学修による主体的かつ協働的に英語能力を習得させる指導法、また、母語教育の教材の活用法や、児童に文字指導、「読むこと」「書くこと」の指導を中心にした総合的統合的な指導、(3)評価については、CEFR等を基にした小学校英語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定等の情報収集、(4)中等教育に円滑に繋げるための初等教育段階での指導についての調査等、授業観察と指導者や関係者への面談を通して行う。 さらに、日本の「英語教育の教科化」に対応した英語教育における文字指導「読むこと」「書くこと」とその評価について、学修者の主体的かつ協働的な学びをどう組み入れて指導していくのかを検討するために、愛知県内の現場の小学校と連携して研究を行なう。
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次年度使用額が生じた理由 |
事例研究調査が予定していたよりも進まず、まだ途中であることから、旅費や教材購入及び面談に対する謝礼の使用額が次年度への繰り越しとなった。 平成30年度は、さらに事例研究調査を行ない、多くの教育現場の実態を踏まえた上で、評価のプログラムを構築の検討をしたい。
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