本研究の目的は、日本人韓国語学習者の発話に関して韓国語母語話者がどのように評価をするのか、また、学習者の言語運用に関する評価と韓国語学習者に対して韓国語母語話者が抱く印象にどのような関係があるのかを明らかにすることである。そのため、これまで、韓国語母語話者を対象に、学習者のストーリーテリング発話(音声データ)をもとにした「わかりやすさに関する評価」調査および学習者のインタビュー発話(映像データ)をもとにした評価調査(量的調査)を実施してきた。本研究の最終年度である2021年度は、主に、以下の2つについて取り組んだ。 1.韓国人大学生による評価調査データの分析 韓国人大学生74名を対象に、日本人韓国語学習者(中・上級6名)の発話映像を用いて評価調査を実施したが、その調査データをもとに分析を行なった。因子分析や重回帰分析、パス解析などの統計手法を使い、学習者の発話に関する評価観点および韓国人大学生が学習者に対して抱く印象観点を明らかにし、さらに、学習者の発話に関する評価観点と学習者に対して韓国人大学生が抱く対人印象観点との関係について検証した。 2.学会での口頭発表および学会誌への論文投稿 韓国人大学生による評価調査と分析の結果について「朝鮮語教育学会」および「外国語教育学会」で口頭発表を行なった。また、学会の会場で得られたコメントや研究仲間からのアドバイスなども参考にし、研究成果を研究論文としてまとめ学会誌へ投稿した。現在、投稿論文の査読結果を待っているところであり、またもう一遍の研究論文を執筆中である(学会誌への投稿を予定)。
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