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2017 年度 実施状況報告書

グローバル教育の視点から考えるリンガフランカとしての英語教育の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 17K03016
研究機関文教大学

研究代表者

生田 祐子  文教大学, 国際学部, 教授 (50275848)

研究分担者 高橋 礼子 (高橋礼子)  学習院女子大学, 国際文化交流学部, 講師 (30613913)
北村 優子  長野大学, 企業情報学部, 助教 (80783844)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード英語教育 / リンガフランカとしての英語 / グローバル教育 / 模擬国連 / シティズンシップ教育
研究実績の概要

日本人大学生がリンガフランカとしての英語(ELF)、グローバルリタラシー(国際教養と対話力)、およびWIC (Willingness to Communicate)の能力を高めるために、どのようなグローバル教育活動が有効かを検証する為に、 6月に神戸市立外国語大学で開催された日本模擬国連活動に参加した学生を対象にFocus Group Interview (FGI)の手法を用いて調査を実施、質的データ分析を行った。その結果から1)調査対象者において、英語使用の際に母語話者を基準とする正確な言語活動を意識することより、むしろ伝える内容を意識することで英語を使用する姿勢に顕著な変化が生じたこと、2)対話する相手の英語力によって生じる様々な問題を解決する為に、言語的なストラテジー(対策)を試みていることが明らかになった。したがって、日本人大学生にとり模擬国連活動は、母語背景の異なる多様な英語話者に接する場面を提供し、自らがELF話者となる体験をする有益な機会であり、英語の発信力を促進する有意義な言語教育活動であると考えられる。しかし、今回の調査対象者は限定的であるため、2018年、2019年度に継続して調査を続ける予定である。今年度の調査結果は、2018年6月にオークランド大学で開催されるSociolinguistics 22 (社会言語学国際学会)にて発表する(生田・高橋・北村)。 今回のFGIを用いる質的研究手法の有意性に関しては北村が研究ノートとして執筆した。2018年7月にはロンドン大学で開催されるELF 10th International Conferenceへ出席、高橋が関連のテーマで研究発表を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画はほぼ予定通りであるが、質的調査結果のデータの分析に想定より時間がかかり、年度末の時間的な拘束もあり米国国連本部における模擬国連大会への視察及び調査は行うことができなかった。しかし、予定していた日本模擬国連大会参加者を対象とする調査は第1回を完了し、パイロット調査は終了しているため、次年度へ本調査として継続する。

今後の研究の推進方策

Focus Group Interviewの手法を用いて質的調査を実施しているが、同時に調査できる人数が限られていることと、データ分析から判明する結果は、往々にして研究課題への周辺的な回答として捉えられることが多く、質的調査の手法についてはファシリテーションの仕方も含めて、今後も検討していく必要がある。2018年度に日本模擬国連(JUEMUN2018)に参加する学生に対して、同様の形式でFocus Group Interview(FGI)を実施、2017年度のFGIの結果と比較し、その結果をもとに、2019年度の日本模擬国連参加者に対する最終的なFGI調査を実施したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

年度末の時間的な拘束があり、米国国連本部における模擬国連大会への視察及び調査は実施できなかった。2018年度6月及び7月の国際学会での発表に使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 英語教育研究のためのフォーカスグループインタビュー-学修者の声より課題を分析する-2018

    • 著者名/発表者名
      北村優子
    • 雑誌名

      長野大学紀要

      巻: 39巻3号 ページ: 87-94

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Challenges Being in the Field as a Qualitative Researcher-Building Rapport-2017

    • 著者名/発表者名
      Yuko Kitamura
    • 雑誌名

      The Journal of Engaged Pedagogy

      巻: Vol.16 No.1 ページ: 63-73

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Is There a Shift from ELF to ELF in Japan? : A Comparative Analysis of English Textbooks2018

    • 著者名/発表者名
      Reiko Takahashi
    • 学会等名
      American Association for Applied Linguistics 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] Linking People in Multilingual Contexts: Possibilities and Limitations of English as Lingua Franca2017

    • 著者名/発表者名
      Yuko Ikuta
    • 学会等名
      18th World Congress of Applied Linguistics (AILA 2017)
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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