研究課題/領域番号 |
17K03031
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
安達 理恵 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (70574052)
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研究分担者 |
古家 貴雄 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30238696)
二五 義博 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 教授 (60648658)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CLIL / 内容言語統合型学習 / 4C / 国際交流 / 小学校英語教育 / コミュニケーション / 異文化間教育 / プロジェクト型学習 |
研究実績の概要 |
本研究では、4つのC(Content, Communication, Cognition, Culture /Community)の育成を目的とする全人教育としてのCLIL指導の枠組みを提案した。そして主に①小学校での担任主導の実践を可能にするために、日欧の教育現場における4Cを主目的とするCLILの指導の実践事例を収集し、類型化した枠組みを提案する。②日本の小学校に適用可にするため、ヨーロッパ型CLILではなく日本の教育状況に合わせたCLIL教材や指導方法を研究する。③またプロジェクト型の活動を導入することで、児童の多様な面を伸ばす指導方法を目指し、研究協力者と研究会で効果や課題や評価方法を検討しながら、より良い提案・改善を行っていく。ことを目標とした。 まず,①については,イタリアの小学校でのCLIL授業観察(理科や社会科の内容)に基づき授業分析を行い、安達や二五はワークショップ型研究会の開催やセミナーを開催した。②については,安達は小学校で異文化間交流をする学校の先生と協力して協同研究を始め、授業を観察・分析し、古家は山梨県の小学校現場のCLIL実践に係わり、そこでの授業者の悩みの相談うけながらCLILの現場での実践可能性を模索した。また③については,安達は小学校の先生方とプロジェクト型の授業を開発・支援し、内容や効果について学会発表や執筆をした。また、二五はMI理論の視点を取り入れ視覚や身体等を活用することがCLILをより効果的にすることを実証しながら、学会発表を行い、古家は地理の要素を用いたアルファベットの学習の授業や山梨県での特産について社会科と絡ませた授業の観察・助言を行い、地域の小学校教員との連携を深めつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
このうち,①と②については,順調に進んだと考えられる。但し③については、まだ十分な課題や評価方法についての議論は行っておらず、CLIL型授業の現状の把握と、有効と考えられるCLIL活動についてそれぞれの地域での発表や周知に終わっているため、今後、さらなる改善やより効果の期待できる活動の提案を、多くの先生と協力しながら行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後もさらに日本の教育状況に合ったCLILの指導の実践事例を収集し続けながら、より良い授業案の提案や、さらに有効な授業実践についての効果もある程度調査し、PDCAも行う予定である。安達は、引き続き、小学校の先生方と協力して協同研究を進め、授業を観察・分析していく。また海外のCLIL実践者・研究者との連携も進め研究会なども開催する。さらに今年度はCLIL授業の効果についてもある程度、検証を進めつつ、学会発表や執筆も行う予定である。二五は、引き続きMIの視点からCLIL指導案の開発を試みると同時に、広島地区を中心とした西日本においてCLILの指導支援を行う予定である。例えば、呉市の小学校では地域を題材にした小学校英語教育を実践しているが、CLILの4Cを軸とするアクティブで質の高い活動を取り入れるよう指導助言を行う予定である。また、できれば広島や関西の小学校教員との連携でCLILの教材を開発し、それを実践・調査して、その成果を学会発表へとつなげる予定である。また古家は、関東圏の他の県のCLIL実践やそれに関する実践報告を見聞きする機会を増やし、山梨県の実践について、教職大学院の指導学生(現職教員)と連携し、現場での実践研究を助言しつつ、小学校外国語活動におけるPartial CLILについて共同で研究発表・執筆を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
春に予定していた「海外のCLIL授業参観と研究者との会合」が、当該年度は事情により行くことが出来なかったこと、また国内で開催の研究会は、大学の研究会からの助成を得て開催できたことが主な理由である。次年度すでに国際学会での発表が2件決定しておりその旅費や宿泊費用などに使用予定である。
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