本研究は、前科研費研究で提案した「英語力・指導力向上のための効果的な自己研修の内容・方法」の効果を検証し、改善した内容・方法を小学校英語指導者に普及させることを目的とした。効果の検証として、教職課程で小学校教員を目指す10名程度の大学生に自己研修を約半年間実践してもらい、学習記録、アンケート調査、インタビュー調査等の質的データを収集し、多角的に分析した。主に計量テキスト分析を通して客観的に、より効果的な自己研修内容を構築することを目指した。平成29年度(1年目)は自己研修実践準備および1回目の実験実施、平成30年度以降(2~3年目)は1年目の結果分析を土台とした2回目の実験実施の準備、実験実施および検証、そしてより効果的な自己研修内容を構築し、その提案と普及活動を行った。1年目は「話す文法と発音」、2年目は「教室英語」の自己研修活動実験を実施した。3年目(最終年度)は2年間の研究成果をまとめ、発表した。2年間の自己研修活動実験を通して、被験者は全般的に英語力、指導力が向上したと感じていること、また練習を通してさらに英語力、特に児童からの予測できない質問に答えられる英語力や指導力を身に付ける必要があると自覚したことが分かった。このように自己研修は多くの被験者にとって英語力・指導力を伸ばすだけではなく、自身の英語教師としての課題について振りかえる機会を与えたようである。本研究を通して自己研修の有用性を確認したことから、今後もより効果的な自己研修に関する研究を行っていきたい。
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