研究課題/領域番号 |
17K03039
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
伊東 治己 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (90176355)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CLIL / 内容言語統合型学習 / フィンランド / 成功要因 / 外国語教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現在世界的規模で拡大しつつあるCLIL(Content-Language Integrated Learning)、つまり「内容言語統合型学習」について、特に外国語としての英語教育と平行する形で、急速な発展と広がりを示しているフィンランドのCLILに着目し、その成功要因を、教授的・制度的・社会的観点から分析するとともに、その分析結果をもとに我が国でも小学校から大学に至るまで様々な校種や地域で急速な広がりを見せつつあるCLILが今後進むべき方向性を明示することにあります。この目的を達成するために、3年間(平成29年度~31年度)にわたる研究の2年目に当たる本年度(平成30年度)の研究においては、主にフィンラ ンドでのCLILを取り扱っている文献の収集とその分析をとおして、フィンランドにおけるCLIL発展の背景を探るとともに、フィンランドでCLILを実施している小学校と中学校(ポリ市にシグナエウクセン小学校、ならびにユバスキュラ市にあるコルテポヒアン小 学校とヴィータニエメン中学校)を訪問し、CLILで学ぶ学習者の割合、外国語(英語)での授業の割合、CLILで扱う内容の中身、CLIL授業の担当者、CLILでの成績評価の方法等についてさらなる情報収集を行うとともに、実際にCLILの授業も参観しました。また、CLIL担当教員に対する聞き取り調査も実施し、CLILに対する当事者意識に関するデータの収集にも努めました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の科研費研究の主題であるフィンランドにおけるCLIL(内容言語統合型学習)に関しての研究が、文献調査や、現地調査をとおして、おおむね当初の予定どおりに順調に遂行できているため。
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今後の研究の推進方策 |
3年間にわたる研究の最終年度にあたる平成31年度においては、まず、これまで2年間にわたる研究でも行ってきましたが、ヨーロッパ特にフィンランドにおけるCLIL(内容言語統合型学習)に関する研究論文の収集と分析を行い、特にCLILの発展を支えてきた要因に関する理解を深化させます。次に、再度フィンランドに赴き、CLIL実施校での現地調査を実施します。加えて、CLIL担当教師に対してCLIL の成功要因についての聞き取り調査も実施します。最終的には、3年間にわたる研究の成果を報告書にまとめることにしています。なお、現地調査は現在の勤務校および現地の学校での授業スケジュール等を考慮し、秋季あるいは冬季に10日間程度の日程で実施する予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が83,737円生じていますが、これは、本年度に実施した海外調査の経費が予想以上にかかったため、次年度の予算から20万円ほど前倒ししました。その20万円の残額が次年度使用額として計上されています。
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