研究課題/領域番号 |
17K03040
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
川西 慧 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (10779242)
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研究分担者 |
宇佐美 彰規 武庫川女子大学, 文学部, 准教授 (10648356)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ライティング / ESP / EAP / スタンス |
研究実績の概要 |
英語による学術論文執筆は、英語を母語としない者にとって研究を執行する上で大きな課題であるが、国際的な競争力が重視されるグローバル社会の中で国内の大学がその影響力を見せるために必要不可欠である。本研究は、特に学術論文に着目し、学術の場において周辺的な構成員である大学生のスタンスの表明及び交渉に関する方略を記述することで、(英語熟達度、研究ともに)卓越した書き手のライティングとの比較を可能にするものである。
本年度は、スタンス表明に必要だと思われる関連技能について、先行研究を概観する。例えば、要約に関係するHirvela (2004)に代表される「書くために読む (reading to write)」という枠組みや、近年TOEFL やIELTS などの熟達度テストにも取り入れられている「統合ライティング (synthesis writing)」などの言語教育関連分野のもの、また、MAK Halliday の機能言語学や「特定目的の英語(English for specific purposes: ESP)」などの応用言語学分野から伝達動詞、価値付けに関わる表現に関する研究などを選択し、先行研究をまとめた。また、ゼミでの卒業論文執筆やアカデミックライティングクラスなどにおいてさまざまな英語熟達度の学習者を対象に、探索的調査を実施した。これはスタンスを表明する上で必要な能力を記述するためのものであるので、過程重視型ライティングの手法をとり、学習者がどのように素材から情報を選択し、縮め、どのような伝達動詞を選択するかを観察し、記述した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、おおむね予定通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、前年度に実施した文献調査と学習者の執筆物の探索的調査に基づき、スタンスに関する記述子を作成する。また、学習者の執筆物を分析し、その中にどの程度伝達動詞、人称などが含まれており、価値付けや位置付けが行われていたかを量・質の観点から分析する。
また、教育応用を目的に、指導についても考案する。スタンス表明には、先行研究や文献を熟読し、それぞれを文脈化し、価値づける力が必要不可欠である。そのためには、リーディングとライティングの技能統合的な総合的な能力(リテラシー)が必要とされることは明らかである。特に、批判的読み (critical reading)を含む批判的思考を必要とする活動が中心となると想定する。そのため、ライティングの前段階であるリーディング時に、どの程度の情報を読み取り、理解し、文脈化・価値付けができているかといった、いわゆる受容的な側面と、それを外国語を用いてどの程度表現できるかという産出的側面があると言えよう。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入予定だった分析用ソフトウェアについて、学会出張費やデータ管理用コンピュータ購入費とあわせて今年度予算内に収めることが不可能だったため、学会発表やデータ収集を優先し、年度内のソフトウェア購入を断念した。
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