研究課題/領域番号 |
17K03045
|
研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
半谷 史郎 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (90731406)
|
研究分担者 |
梅津 紀雄 工学院大学, 工学部, 講師 (20323462)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 日ソ関係 / 文化交流 / オーラルヒストリー / 平和友好祭 |
研究実績の概要 |
今年度は、計3人から聞き取りを行って体験談をうかがうことができた。ただ前年のような大きな成果があったとは言いがたい。 2018年7月に聞き取りした洋舞の男性は、前年度の末に約束したものの体調を崩されて中止になったものがようやく実現したわけだが、記憶がぼやけており、特に新たな発見はなかった。一方、2019年3月に聞き取りした男性は、当時は北海道の学生運動の活動家で、友好祭には日本代表団の副団長として参加していた。これまでと違う視点からの話はとても貴重なものだが、事実かどうかの判断は、慎重な扱いが必要と思われた。このためこの方がモスクワで会ったと主張する国際全学連の日本代表の方に同月に話をうかがったが、記憶にないとのことで、確証は得られなかった。 このほか文献を精査する中で、同時期に行われたスポーツ大会の日本代表の通訳だった方を突き止め、聞き取りを申し込んだが、高齢のため話のできる状態ではなく、聞き取りは実現しなかった。また新国立劇場の最初の演劇部門芸術監督の渡辺浩子氏が友好祭に参加していたことが分ったが、1998年に亡くなっており、遺稿集に収録されている当時の思い出を入手したにとどまった。 このように聞き取りによって友好祭の様子を再現することは、大きな壁に直面している。ご健在の方であっても新たな発見が期待できるとは限らず、落穂ひろいに終わる可能性も高い。 一方、前年度の最大の成果である薄井憲二氏の聞き取りは、文字起こしをして体験談を紀要に発表した。今年度の発表物は戦争に行くまでの前半生で、シベリア抑留と友好祭の思い出の活字化は、来年度以降になる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3人から聞き取りを行ったが、新たな発見が少なかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
聞き取りは物理的な限界に達しつつあるが、聞き取りのできる最後の時期であることも間違いないため、できるかぎり手を尽くして体験の聞き取りを進める。ご健在で活躍中の日本写真家協会の前会長や、「うたごえ」の参加者の聞き取りを考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
想定していた聞き取りが実現しなかったため、旅費と文字起こし用に予定していた経費が使われずに残った。 これは、次年度以降の聞き取りと文字起こしの経費に充当する。
|