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2020 年度 実施状況報告書

1957年モスクワ平和友好祭と日本:冷戦下の「敵国」文化受容の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K03045
研究機関愛知県立大学

研究代表者

半谷 史郎  愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (90731406)

研究分担者 梅津 紀雄  工学院大学, 工学部, 講師 (20323462)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード平和友好祭 / 被爆者 / 日ソ関係
研究実績の概要

本年度は、コロナ・ウィルスの感染拡大に伴って勤務先の労働事情が大きく悪化したため研究に割く余力がほとんどなく、見るべき成果のないまま時間だけがすぎた。
感染状況が一時的に改善していた夏から秋にかけては、各地に出向いて、平和友好祭に参加した長崎の被爆者、永田尚子(故人)の調査をした。まず9月には東京に出向いて、モスクワ在住時のことを知る河崎夫妻に聞き取りを行なった。平和友好祭の翌年のモスクワでの入院治療やその後の大学生活について貴重な証言が得られた。10月には広島県立文書館に出向いての被爆者関係の史料調査を行なった。
このほか当時の新聞記事や文献の収集にも努め、平和友好祭の前年に訪日したソ連の学者が永田尚子のソ連治療のキーパーソンであることが判明したほか、ソ連で永田尚子を治療した医師がソ連の雑誌に発表していた詳細な病状報告を見つけることができた。
感染状況が悪化してからは、メールを通じた問い合わせに切り替えて調査を進めた。広島大学文書館にメールを通じて史料照会して永田尚子の治療訪ソに関わる貴重な記録を見つけたほか、長崎の被爆者運動に詳しい研究者からは、永田尚子が平和運動に関与するきっかけについて貴重な示唆を得た。
このように史料収集ではいくつかの前進があったものの、集めた史料を分析して研究成果としてまとめるだけの時間の余力や気力がなく、史料は店ざらしになったまま、見るべき成果のない一年になってしまった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ・ウィルスの感染拡大により本務校の業務が逼迫して物理的にも精神的にも余裕がなく体調を崩し、研究に割く時間をほとんど取れなかったため。

今後の研究の推進方策

コロナ・ウィルスの感染状況は本年度もまだ落ちつく気配がなく、研究に割く余力は前年ほどではないにしろ、あまり多くを望めない。研究の最終年度であることでもあり、少なくとも昨年度に集めた永田尚子の史料を研究成果にまとめたいとは思うが、場合によっては研究期間の一年延長を申請する可能性もある。

次年度使用額が生じた理由

当初想定していた聞き取りが実現しなかったこと、またコロナ・ウィルスの感染拡大によって研究計画が大きく狂ったことにより、多額の経費が使われずに残った。
コロナ・ウィルスの感染がおさまる気配がないため、聞き取りの実現は難しいと思われる。このため、使わずに残った助成金については、返還を考えている。

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公開日: 2021-12-27  

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