研究課題/領域番号 |
17K03045
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
半谷 史郎 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (90731406)
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研究分担者 |
梅津 紀雄 工学院大学, 工学部, 講師 (20323462)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 平和友好祭 / 日ソ交流 / スポーツ交流 / 文化交流 |
研究実績の概要 |
昨年に続いて今年度もコロナ・ウィルスの感染拡大に翻弄された。一昨年から体調の思わしくない状態が続いたため今年度は静養を優先し、あまり研究に時間を割くことができなかった。このため新たな聞き取りや資料調査は実施できず、これまでの調査結果を活字にするだけにとどまった。 とはいえ今年度は、次の二点の成果を公表することができた。 一つ目は、薄井憲二氏の聞き取りである(三回にわたる連載の完結編)。話がようやく友好祭の出来事に到達し、様々な話題が語られている。到着したナホトカやシベリア鉄道沿線での歓迎ぶり、モスクワで参加した催し物やテレビ出演、幻に終わったモンゴル行きが持ち上がった経緯、趣味の古本収集、友好祭で知り合った親友プロコフスキーのことなどだが、これまで知られていなかったことも多い。ほかの友好祭参加者がロシア語ができなかったために表面的な観察にとどまるところを、薄井氏はシベリア抑留中に身に付けたロシア語力を存分に発揮して、深い洞察を随所で発揮している。 二つ目は、友好祭と同時期に開かれた国際青年友好スポーツ大会の参加者の聞き取りをまとめた論文である。日本政府の見方も参加者の待遇も、友好祭とは明確に区別された大会だったが、どちらの大会もイデオロギー色が皆無で、平和・友好という普遍的な理念を全面に出していたことが確認できた。また、スポーツ代表団の出発の地・新潟で、独特な日ソ交流が観察されたことが当時の新聞記事から確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ・ウィルスの感染拡大にともなう環境変化で体調を崩し、研究に割く余力がほとんどなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を一年延長して時間をつくり、ここまでに集めてきた成果を整理して広く一般に紹介する。そのためにホームページを立ち上げることを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していた聞き取りが関係者の死去などによって実現しなかったことに加えて、コロナ・ウィルスの感染拡大によって研究計画が大きく狂ったため、多額の経費が使われずに残っている。 研究成果の公開としてホームページの作成を考えているが、それでも残った助成金については返還を考えている。
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