研究課題/領域番号 |
17K03048
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
漆原 徹 武蔵野大学, 文学部, 教授 (20248991)
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研究分担者 |
岡野 友彦 皇學館大学, 文学部, 教授 (40278411)
神野 潔 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 准教授 (40409272)
花田 卓司 帝塚山大学, 文学部, 講師 (60584373)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 武家文書 / 公家文書 / 料紙 / 引合 / 杉原紙 |
研究実績の概要 |
2017年度における本科研の研究状況においては、以下のとおりである。本年度は、東京大学文学部所蔵青蓮院文書、京都市歴史資料館所蔵文書、赤穂大石神社文書の調査を実施した。 その調査文書を、従来の研究成果に以下の四つに分類しながら観察をした。不純物(柔細胞)を極力取り除いたもの、不純物(柔細胞)がそのままのもの、填料が加えられていないもの、填料が加えられているものという四要素から組み合わせて、A不純物(柔細胞)を取り除き、填料がないもの、B不純物(柔細胞)を取り除き、填料が加えられているもの、C不純物(柔細胞)がそのままで填料が加えられていないもの、D不純物(柔細胞)がそのままで填料が加えられているものに分類した。これら四つの大分類によって、当時の文書名称である引合、杉原、強杉原等の名称との関連性に留意しながら検討を加えた。 現段階では、概ね、皇族・公卿、足利尊氏・義詮・義満等の書状にはAが使用されていること、将軍家下文、御判御教書などにはB、一部Cが使用されていること、御教書、各種上申文書には概ねC、一部Dが用いられていることの知見を得た。 今後、これらの傾向について地域的特徴、時代的変遷を検討していく予定である。また、鎌倉期における武家文書と公家文書の料紙の使用の相違点の確認、初期足利政権における公家使用文書との同質化という傾向を看守できる可能性について検討を加えていく。 さらに、楮系統の料紙と雁皮紙系統の料紙の仕様の差異について、鎌倉期から室町期にかけての武家文書の使用例についての検討作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査の円滑な実施と、過去蓄積した史料との照合作業が順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
上杉家文書の調査実施、京都歴史資料館所蔵文書の調査実施、個人所蔵文書の調査実施などを継続して行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、東京以外の米沢、京都その他地域の出張が予定されていて、今年度分を次年度分に充当する必要があると考えている。
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