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2019 年度 実績報告書

古文書学の再構築―料紙と機能・様式との関係-

研究課題

研究課題/領域番号 17K03048
研究機関武蔵野大学

研究代表者

漆原 徹  武蔵野大学, 文学部, 教授 (20248991)

研究分担者 岡野 友彦  皇學館大学, 文学部, 教授 (40278411)
神野 潔  東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 准教授 (40409272)
花田 卓司  帝塚山大学, 文学部, 准教授 (60584373)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード料紙と文書様式 / 文書の機能と様式 / 填料 / 楮紙 / 雁皮紙 / 非文字列情報 / 奉書紙 / 鳥の子紙
研究実績の概要

①室町時代の古文書に限定した場合は、その原料はほぼ楮と若干の雁皮に限定することができること。とくに中世の楮紙は、紙漉きを行う際、不純物を除去した結果、「柔細胞」がほとんど認められない紙と、不純物(柔細胞)の除去が不十分な紙に大別でき、また填料(米粉)を含む紙と、含まない紙に大別される。
②そこでこの基本的な二つの分類を組み合わせると、次の4種類に分類できること。
a 不純物(柔細胞)も填料(米粉)も認められない紙 b 不純物は認められないが、填料が入っている紙 c 不純物は認められるが、填料は入っていない紙 d 不純物も填料も入っている紙 ③Ⅰ類は皇族や上級公家の私信に用いられており公文書には使用されていないこと。また幕府発給文書はⅢ類かⅣ類の料紙が用いられていること。
④次に従来料紙研究においては、古文書に裏打紙が施されたものは料紙を判断する材料とはなりえないという古文書学上の常識が存在した。この点について、補修作業が終了した直後の「賀茂別雷神社文書」と江戸時代に裏打紙が施された「相良家文書」に関して顕微鏡写真撮影を行って調査した結果、十分に料紙を判断することが可能であることを確認できた。⑤鎌倉幕府発給の政所下文では、同日付で惣領家と庶子家に発給された料紙は、惣領家に発給された料紙の方が上質であった。
⑥室町幕府発給の将軍御内書の料紙として、享禄3年までは第Ⅲ類すなわち檀紙系統の強杉原が用いられ、享禄4年から雁皮紙の最上質紙である「鳥の子」が使用されるようになったこと。以上箇条別に列挙したように個別具体的な事実を明確にする成果を得ることができた。これらの成果は、吉川弘文館から刊行予定であるが、すでに一部を『藝林』第69巻1号誌上で発表している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 中世古文書料紙研究の現在2020

    • 著者名/発表者名
      岡野友彦
    • 雑誌名

      藝林

      巻: 69巻1号 ページ: 52~93

  • [雑誌論文] 「相良家文書」の将軍家政所下文2020

    • 著者名/発表者名
      花田卓司
    • 雑誌名

      藝林

      巻: 69巻1号 ページ: 121~135

  • [学会発表] 中世古文書料紙研究の現在2020

    • 著者名/発表者名
      岡野友彦
    • 学会等名
      藝林学術大会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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