本研究は、中近世日本の村落の宝物に関する文化史研究である。(1)現役の学校教員による中近世加越能地域史に関する20本の論考を収録した『草の根歴史学の未来をどう作るか』(文学通信)を刊行した。また(2)越中般若野荘(富山県砺波市)および薬勝寺の調査を実施し、大般若経をはじめとする宝物の伝来と地域社会との関係をまとめた。(3)明和6年小松勝光寺周好の日記『烏兎記』の翻刻、史料紹介を行なった。(4)加賀得橋郷(石川県能美市・小松市)牛島地区の明治期土地台帳のデータベースを作成した。そのほか、各地で文化財調査とフィールドワークをすすめ、加越能地域を中心とする個別の研究論文、口頭報告として公表した。
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