本研究は、歴史学の営みとして社会と密接な関係にある自治体史や地域資料館の活動を中心に据え、その学問的意義の検討を通じて、歴史学をはじめとする諸学問の可能性を検証しようとするものである。自治体史や地域資料館は、市民と身近な関係にあるため、多くの市民から批判も含めたさまざまな意見を受けることが多く、その影響を受けやすい環境にある。また、厳しい財政状況を背景とする多くの自治体においては、市民の立場に立って継続的に仕事を遂行することが難しい場合もある。本研究では、京都市を中心にその実態を把握するとともに、周辺自治体との比較検討を進め、その意義をより広い立場から検討したものである。
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