| 研究課題/領域番号 |
17K03086
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| 研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館 |
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研究代表者 |
吉澤 悟 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 部長 (50393369)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 忍性 / 骨蔵器 / 律宗 / 額安寺 |
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| 研究実績の概要 |
昨年度は、額安寺と竹林寺の忍性墓から出土した忍性銘の骨蔵器について実測図と科学分析の結果を報告したが（「二つの忍性骨蔵器」『鹿園雜集』第22号）、今年度はその続編として、額安寺忍性墓出土の残りの骨蔵器、計10点の調査報告を作成、公表した（「大和・額安寺の忍性五輪塔に納められた骨蔵器群」『鹿園雜集』第23号）。この調査から、忍性墓に「同居」した骨蔵器には、忍性との縁の深さによって埋納位置が異なるという規律があり、さらに骨蔵器の形状や構造、製作技法、材質などは個々に異なるため、被葬者は特定の寺院の所属ではなく、様々な地域から集まってきたであろうことが想定された。こうした墓内の規律や参集形態はこれまで確認されたことがなく、西大寺系真言律宗の中で重要視された師弟の絆や法脈を象徴するものと思われ、律宗の拡大発展の原理解明に資する成果を出すことができた。
また、竹林寺忍性墓出土品の調査も引き続き進めることができた。昨年度は銅製骨蔵器を中心に調査を行ったが、今年度は陶磁器や梵字墨書骨片など多様な遺物にも対象を広げ、撮影や計測、実測図作成などを進めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
博物館内に寄託・保管されている物件（忍性墓出土品など）は調査を大きく進展させることができたが、鎌倉をはじめ茨城や広島などの寺院で保管されている遺品の調査や地域の情報収集などについては、コロナの影響もあって実施できない状況が続いた。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまで行えなかった実地調査を推進すると共に、すでに一定の成果を挙げている骨蔵器の調査を拡充した報告にまとめ、「忍性墓資料集成」の母体となるものを作成したい（発行は別途予算を獲得して行う予定）。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響により実地調査が滞った。残りの期間に調査を進め、必要資材等を揃えて調査成果の整理・公表につとめたい。
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