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2017 年度 実施状況報告書

古代大宰府の部内諸司に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K03088
研究機関九州歴史資料館

研究代表者

松川 博一  九州歴史資料館, 学芸調査室, 研究員(移行) (40446886)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード大宰府 / 官司
研究実績の概要

第1年次の平成29年度は、大宰府の機能や役割に関する史料を集成し、諸司ごとに分類する作業を主として行った。
①大宰府の被管官司に関わる基本文献(研究書・研究論文)を収集し、研究史の整理を行った。その過程で中央官司との比較が必須であることを実感し、あわせて中央官司に関わる文献も収集することにし、研究協力者の赤司善彦氏に奈良文化財研究所にも協議に行ってもらった。また、大宰府研究のパイオニアである故・鏡山猛氏(九州大学名誉教授・九州歴史資料館初代館長)の『大宰府都城の研究』清書原稿をはじめとした研究資料を購入した。
②関連史料の収集については、関連論文や『大宰府・太宰府天満宮史料』などの史料集から大宰府の司・所にかかる史料を抽出、あわせて大宰府史跡の出土文字資料の実見調査および大宰府条坊跡をはじめとした関連遺跡の発掘報告書の総覧を通じて、司・所銘墨書土器を新規に発見した。国立公文書館所蔵の観世音寺文書の実見調査も行い、新規写真撮影をした。
③所・司ごとに史料を分類し、一覧を作成した。今年度は明確に「所」や「司」名が確認できる史料を確実に押さえることに努めた。多くの調査員を動員しての作業をするところまでには至らなかったが、史料抽出の方針の確定や試行はできた。
平成29年度は、大宰府研究会を主宰し、当館研究員はもとより関連自治体の専門職員にも呼びかけ、6回の研究会を実施した。その第1回目として「大宰府官司制論-被官所司の検討を中心に-」の研究報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、予定していた研究内容については、ほぼ予定どおりに進捗している。あえて言うとすれば、大宰府と中央の官司との比較研究の重要性を再認識しており、それらの基本文献の収集に手間取り、大宰府関連史料の収集がようやく軌道に乗ったというところである。しかしながら、第3年次で行う予定の比較研究のための文献収集をあわせて前倒しでできたことは、作業効率を考えると最善であった。

今後の研究の推進方策

第2・3年次で行う予定の作業であっても、あわせて行った方が効率的な作業については当初の研究計画にとらわれることなく、行うように努める。とりわけ文献目録からの論文の抽出や史料集からの関連史料の抜出作業においては効率的である。
古代史の院生の確保が難しい状況があるので、募集対象を中世の専門生まで広げ、とにかく基礎作業をしてもらう人員の確保を行うことが急務である。

次年度使用額が生じた理由

関連史料の抽出を行う古代史専攻の大学院生の確保が難しかったため、人件費に残額が発生した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 律令制下の大宰府と古代山城2018

    • 著者名/発表者名
      松川博一
    • 雑誌名

      九州歴史資料館研究論集

      巻: 43 ページ: 21-32

    • 査読あり
  • [学会発表] 大宰府官司制論-被管所司の検討を中心に-2017

    • 著者名/発表者名
      松川博一
    • 学会等名
      第1回大宰府研究会

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公開日: 2018-12-17  

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