第4年次(令和2年度)は、第1~3年次に行ってきた大宰府の被管官司に関わる史料集成を仕上げて研究成果報告としてまとめるとともに、最近活況を呈している被管官司の所在地比定および府庁域の範囲についての研究動向や大宰府史跡の最新の発掘調査成果を把握することに努めた。 第3年次(令和元年)12月に行った木簡学会研究集会での研究報告の内容を当日の討論内容や査読結果に基づいて再検討および発展させ、学会誌『木簡研究』に投稿し、掲載された。同誌には、連携研究者の酒井芳司氏と研究協力者の大高広和氏の研究論文も掲載された。 令和2年度は大宰府史跡指定100年の節目に当たることから、江戸時代から今日にいたる大宰府研究のあゆみを論考としてまとめ、『九州国立博物館アジア文化交流センター研究論集』に発表した。 研究成果の発信においては、令和3年4月に当館主催の「九歴講座」で「藤原広嗣の乱」をテーマに講演を行ったほか、八女市合併10周年記念事業・八女市岩戸山歴史文化交流館「いわいの郷」開館5周年記念シンポジウム「磐井に迫る」において「ヤマト王権と筑紫君」をテーマに基調講演をした。
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