研究課題/領域番号 |
17K03093
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
添田 仁 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (60533586)
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研究分担者 |
井上 舞 神戸大学, その他の研究科, 研究員 (30623813)
安田 容子 東北大学, 災害科学国際研究所, 教育研究支援者 (60726470)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 鉱山社会 / 豪農商 / 山師 / 開発 / 文化サロン / 鉱山知 / 生野銀山 |
研究実績の概要 |
基盤的な作業として、石川家文書の整理を進めた。史料画像データの作成については、70点(1000枚)を写真撮影し、600点(3000枚)分のリネーム作業を行った。うち500点分の目録を採録した。一方、美術品・蔵書類の基礎調査も行い、写真データと概要目録の作成を進めた。また生野銀山史の基礎史料として「石川日記」と掛屋・藤本市兵衛の日記の翻刻を進めた。これらの整理作業は、次年度も引き続いて行う。 他方、石川家文書を用いた研究にも着手した。とりわけ、開港前夜の神戸、鷹取山(神戸市長田区)で石川家が携わった石炭山の開発について、関連文書の翻刻を行った。幕末の兵庫港に入港した蒸気船に使用する石炭の確保を目指して展開した幕府の資源政策と、それを支えた地域社会の動向について分析を進めた。神戸開港150年記念特別展「開国への潮流-開港前夜の兵庫と神戸-」(8/5-9/24)において関連文書(4点)を展示するとともに、同記念シンポジウム(9/3)では、添田仁が「開港前夜の神戸で石炭を掘る-生野銀山石川八左衛門の挑戦-」と題して報告し、研究成果を公表した。今後は、幕府による資源政策との関わりもふまえて、兵庫港における石炭山開発の歴史的意義について分析を深めたい。 また、石川家が有していた人脈(文化サロン)や社会情報についての分析も進め、「生野銀山 石川家文書の魅力を語る会」で報告し、成果を公表した。小椋俊司「石川家の和本」(9/5)は、石川家の蔵書に記された豊かな情報世界の存在を示した。一方、井上舞「石川家の俳諧関係資料について」(3/2)は、京都俳壇で活躍した石川雀翁の文化的素養と人脈の広がりについて論じた。ともに石川家、ひいては生野銀山を基点とする文人社会史研究の可能性を示した重要な成果といえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究については順調に進められているが、整理作業が当初の目標よりも遅れている。これは、目録採録や翻刻の作業に従事できる専門性を備えた人員の確保ができなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
研究については、当初の計画通り進める。とくに、「石川日記」または石炭山関係資料の史料集を発行する。他方、石川家文書の整理については、作業の遅れを取り戻すために、専門性を備えた人員を早急に確保・増員して進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
近世文書の解読・整理作業にあたることができる専門性を備えた人員を十分に確保できなかった。次年度は、前年度分を活用し、人員を増員して整理を進める。
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