研究課題/領域番号 |
17K03093
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
添田 仁 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (60533586)
|
研究分担者 |
井上 舞 神戸大学, 人文学研究科, 特命講師 (30623813)
安田 容子 安田女子大学, 文学部, 准教授 (60726470)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 鉱山社会 / 生野銀山 / 豪農商 / 石川家文書 / 史料目録 / 資源開発 / 海外情報 / 地域美術 |
研究成果の概要 |
本研究では、生野銀山での鉱山開発を支えた豪農商である石川家に残された大規模な史料群を整理し、地元で保存するために必要な環境の整備を進めた。また、当該史料群の分析を通して、近世鉱山に隣接する農村の豪農商が鉱山開発に関わる諸主体との間に築いていた政治社会を復元し、そこで蓄積した科学技術力、人間の組織力、物資の動員力を裏付けた技術や方法論の歴史的展開を追究した。結果、閉鎖性や固有性が強調されてきた近世の鉱山社会に対する理解を再構成するとともに、近世における資源開発の歴史的特質と、そこで培われた技術・方法論が維新期の社会に与えた影響を抽出することができた。
|
自由記述の分野 |
日本史
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近世の鉱山開発を支えた豪農商の稀有な史料群を地元で保存し、市民利用に供するための基盤を整えることができた。また、当該史料群の分析を通して、生野銀山の豪農商が築いていた政治社会の内実と鉱山開発を主導した商人資本の行動様式を解明するとともに、近世日本の資源開発における国家的動員のあり方の特質と、そこで生成された〈鉱山知〉の歴史的意義を全体史のなかで解明することができた。資源開発における国家的動員のあり方の近世的特質を抽出し、それをもって日本の近代化のあり方を規定した歴史的前提を実態的に解明しえた点において意義深いものと思料する。
|