現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
『近世政治空間論―裁き・公・「日本」』(東京大学出版会、2018)を刊行した。本書については、『週刊文春』1/3・10号の特集「18賢人が選ぶ日本史の新常識65冊」で取り上げられ、また複数の学会で合評会が予定されている。 テーマのひとつである、海洋の変容と国土の問題については、2017年度に東京大学とイエール大学の2つの国際研究集会において報告したが(Fumiko Sugimoto, ”Modern Nautical Charts and Geo-Bodies”,Third Global History Seminar Workshop: Sources in Global History, Institute for Advanced Studies on Asia, The University of Tokyo, January 28, 2017ならびにFumiko Sugimoto. “Sea changes and the geo-body”, The Meiji Restoration and its Afterlives. Yale University. Sep.15-17.2017)、今年度はそれを日本語で公刊できた(後述「近代国家形成過程再考」)。またこの成果を前提として、2つの学会大会(国際浮世絵学会・都市史学会)で報告を行った(「研究実績の概要」参照)。 政体の中核としての江戸城を海陸のなかで捉え直す視点については、2回にわたって都市史学会ワ―キンググループ内湾研究会と公開研究会を共催し(「研究実績の概要」参照)、文理を超えた諸分野の研究者の参画を得た。 また、東京大学史料編纂所画像史料解析センター「江戸城図・江戸図・交通図および関連史料の研究」(代表・杉本史子)および同共同利用・共同研究拠点「江戸城本丸御殿平面図・間取図の収集と研究資源化に関する研究」(代表・小粥祐子)の成果をウェブ上に公開し、冊子のかたちにまとめた(絵図解題を『東京大学史料編纂所画像史料解析センター通信』に掲載するとともに、史料編纂所ホームページから公開し、『研究成果報告書』(300頁)を作成した)。
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