研究課題/領域番号 |
17K03103
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
鬼嶋 淳 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (60409612)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 日本近現代史 / 地域史 / 運動史 / 高度経済成長期 / 医療・福祉 / 凶作 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究のまとめを行う予定となっていた。そのため、追加調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染症流行のため、新しく本格的な調査を実施できず、研究課題の総括的成果発表を行うことができなかった。そのため、3つの基礎的作業を行った。 第1に、本研究テーマに関わって、戦後の地域社会に関する研究である、池田宏樹『戦後復興と地域社会』アルファベータブックス、2019年の書評に取り組んだ。同書の対象地域が千葉県であり、本研究課題の一つである都市近郊地域の事例として参照できた。成果は、『日本歴史』869号、2020年10月号に掲載された。 第2に、本研究テーマの前提となるような、戦前期の地域医療・福祉に関わる課題として、東北大凶作に関する研究を再開した。すでに収集していた主に岩手県の史料を全面的に検討して論文にまとめた。とくに近年収集した旧積雪地方農村経済調査所所蔵の史料を再度検証して、東北大凶作にいたるまでの農山村の生産物や農作業方法の変化、農山村民の意識などについて、読み込むことが出来た。その一部は、「「生きること」を歴史から問う⑤ 東北大凶作のなかを生き延びる」『評論』218号で論じた。詳細の検証は、2021年度に、発表する予定で準備を進めている。 第3に、本研究の第一課題である都市近郊農村大井地域の研究に関して史料の追加整理を行った。本格的な史料調査を実施できなかったが、大井医院跡に新しく建てられた倉庫から、大井医院に関連する史料らしきものが出てきたとの連絡をうけ、確認作業を行った。本格的な調査は2021年度以降の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、研究課題の総括的成果をまとめる段階にあるが、新型コロナウィルス感染症流行のため、新しく本格的な調査を実施できないため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、新しく本格的な調査を実施できないなかで、本研究課題の総括的成果をどのように発表するかを検討中である。状況によっては、これまで収集した資料の分析を中心にして、第1の課題である都市近郊地域の事例を中心にまとめることも視野にいれて研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は本研究課題の総括的成果をまとめるにあたり、本格的な調査を行う予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症流行のため、調査をおこなうことができなかったため、次年度使用額が生じることになった。 次年度は、第1に、主に本年度計画していた史料調査を実施するために助成金を使用する。調査をもとに本研究課題の総括的なまとめをおこなう。万が一、秋まで2020年度と同様に調査できない状況であった場合、第2のプランとして、史料集などの文献を購入して分析を進めてまとめをおこなう予定であるので、助成金は、主に史料集などの文献を購入するために使用する。
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