研究課題/領域番号 |
17K03111
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
有坂 道子 京都橘大学, 文学部, 教授 (30303796)
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研究分担者 |
青木 歳幸 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 客員研究員 (60444866)
中尾 和昇 奈良大学, 文学部, 准教授 (00743741)
横田 冬彦 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (70166883)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 文人交流 / ネットワーク / 書簡 / 江戸期医学 |
研究実績の概要 |
本年度は、5月・8月の2回、キャンパスプラザ京都において通常の研究会を2日間ずつおこない、12月に広島県で研究会および現地史料調査を実施した。11月に予定していた研究会は、各人の予定が折り合わず実施を見送った。2020年3月に予定していた研究会は、新型コロナウィルス感染防止のための活動自粛要請により、実施することができなかった。 キャンパスプラザ京都での2回の研究会では、引き続き小石家の文人書簡の解読を進めた。本年度に解読・検討をおこなって第1稿を作成した書簡は、頼支峰30通、滝鶴台1通、慈雲1通、谷鉄臣1通、野田笛浦1通、鯤女1通である。本年度末までに、当科研で解読予定の書簡総数196通のうち、131通の第1稿の作成が終了した。 12月に実施した広島での研究会では、広島大学にて書簡の解読研究会をおこない、広島市立図書館、頼山陽史跡資料館、広島大学医学資料館等で史料調査を実施した。また竹原に残される頼家ゆかりの史跡を見学し、小石家との交流が深かった頼春水・山陽・支峰に関する理解を深めた。 過年度と同様に、文人の書簡を丁寧に読むことで、これまで知られていなかった小石家との交流内容を拾い上げ、光をあてることができた。また小石家と長らく親しい交流をもった頼家に関する史料調査を実施するにあたり、頼支峰の書簡を集中して読み込んだ。支峰については、これまで新しい研究がほとんどなく、まだ明らかになっていない部分が多く残されているのが現状である。今回、書簡内容の検討から新しい発見がいくつかあり、さらなる調査課題を見つけることもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、昨年度と比較して、通常の研究会開催が2回少なくなったため、研究計画の①②について、当初予定より遅れが生じている。その他については、おおむね順調に進んでいる。 ①「研究会の開催」は、当初計画より2回減じ、年2回実施した。②「資料集刊行準備」は、本年度35通の書簡を解読・検討し、第1稿を作成した。③「史料調査」は、小石家と関わりの深い頼氏の出身地広島県を調査地に選び実施した。④「資料収集」は、研究に必要な資料を計画の配分額内で収集した。⑤「研究発表」は、別記の通りメンバー各自が論文・講演などの形で成果を公表した。⑥「情報発信・相互の連絡」は、情報発信については引き続き模索中であるが、相互の連絡については、メールにて研究会前後および適時に詳細な情報・意見交換をおこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度の実績を踏まえ、令和2年度以降、以下の点を押さえて研究の進展をはかる。ただし、目下新型コロナウィルス感染防止による活動自粛要請が続いており、対面式の研究会活動を避けつつ、研究の進捗をはかる必要がある。 ①年4回の研究会を開催し、引き続き小石家書簡の解読と検討を進める。②史料集刊行に備えて検討後の清書原稿をまとめていく。③小石家の文人書簡の背景をさぐるため、小石家との交流の痕跡を追える史料調査地を選んで現地調査を実施する。④研究の進展に必要な資料を収集する。⑤研究成果の公開として、論文執筆・口頭発表などを積極的におこなう。⑥研究全体の進捗状況をメンバー各人と常に共有する。 以上の計画をもって当該研究を着実に推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定分の研究会が開催できなかったこと、研究活動の自粛要請にともなう未執行分が生じたことによる。研究分担者とともに、次年度に適切に執行するようつとめる。
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