研究実績の概要 |
本研究の対象となる西國寺所蔵資料は17,224点(2020年3月31日現在)になる。その内、主として仏教史学並びに日本史学研究等において貴重な価値をもつ「聖教」11,412点及び「典籍(仏典を含む)」5,631点は注目される。西國寺所蔵資料の調査研究は2000年度から取り組んだ結果、2018年度末までに基本データとなる①資料調書作成、②資料の写真撮影、③資料整理(個別番号札の貼付及び保存箱への収納による保存措置)を完了させた。また、残っていた④入力した電子データと原資料との照合による校正作業及び資料情報の公刊(『西國寺調査研究報告書』徳島文理大学文学部文化財学科編集・発行)も全て完了した(1~18号刊行済)。 本研究は、②資料の写真撮影で得た約89,000コマ(内約78,000コマはネガフィルム)に及ぶ膨大な画像データをデジタルアーカイブ化し、資料情報の電子データとリンクさせ、仏教学はもちろん日本史学や仏教史学、さらに国語学等の諸学において、貴重な研究材料として活用できる状況にさせることを目的としてその作業を進めてきた。本研究(平成29~31年度)では当初予定していた全体の半分を大きく上回る68,168コマのネガフィルムスキャニング整理加工を完了させた。残り約10,000コマのネガフィルムスキャニング整理加工及び、全体約89,000コマについてデジタルアーカイブ化に向けた編集作業を2020~2022年度の3年間、計6年間で全てを完了させる予定で進めてきたが、残りの部分についても2020.4.1に科研費として採択された。従って、西國寺所蔵資料17,224点のデジタルアーカイブ構築は順調に進んでいる。
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