2019年6月28日に(財)東洋文庫で実施された第48回南島史学会大会にて「「南海Ⅰ号」搭載墨書陶磁器について」の題目で研究発表を行い、その内容を『南島史学』第87号で学術論文として公表した。 2019年7月16日には福岡大学桃﨑祐輔教授の研究協力を得て、福岡訪問中の中国・寧波大学李広志教授と綱首関連史跡や発掘中の博多遺跡群221次調査地等の調査出張を実施し、これまで未見の「綱首」関連資料を実見した。 8月26日から28日には中国・蘭州へ出張し、甘粛省博物館等で経筒の起源に関わる仏塔を実見した。この出張に引き続き8月29日には北京にて中国社会科学院・明治大学による日中学術シンポジウム「紀元前3世紀から10世紀の東アジア地区における考古と歴史学研究」に参加し、「綱と綱首―文献史料からみた墨書陶磁器」として学術報告を実施した。また平安京左京七条二坊十一町 (東市外町)の発掘で「丁綱」の墨書陶磁器が出土しているこという情報を得たため、9月17日に発掘者である龍谷大学を訪問し、資料の実見調査を実施した。 2019年12月25日に中国広州の中山大学からの招聘により「墨書陶磁器と綱」として中山大学歴史系で講座を実施した。講座に引き続き、広東省海のシルクロード博物館を見学し、「南海Ⅰ号」の発掘状況と最新の出土物を実見した。2020年2月には福岡の出張に同行したの李広志教授と寧波での墨書陶磁器調査を予定していたが、新型コロナウイルスの流行により中止となった。また3月23日より台湾・国立海洋大学で実施予定の4th Asia-Pacific Conference on Underwater Cultural Heritageにエントリーし、論文受理も受けていたが、新型コロナウイルスの影響の延期によりキャンセルとなった。 3月30日に研究成果報告書として『中国出土墨書陶磁器集成』を刊行した。
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