研究実績の概要 |
海外渡航が困難な中、これまでの調査で得た資料の整理・分析とその発表に注力した。その結果として、Tomoyasu Iiyama, Genealogy and Status: Hereditary Office-Holding and Kinship in North China under Mongol Rule, Cambridge (Massachusetts): Harvard University Asia Center, February 7, 2023.を出版した。 本書は主に12-16世紀を対象の時代とする が、とくにchapter 4, 5で、碑刻の設立を通じて見た宗族形成の原理と、碑刻の通時代的な再利用のあり方を論じ、本研究計画の前提条件となる知見を導き出している。 また、上記の研究書の内容の一端を、次の論文として出版した。飯山知保,「モンゴル支配下の中国と多民族国家―官位獲得をめぐる諸相―」,『岩波講座世界歴史 第10巻 モンゴル帝国と海域世界 12~14世紀』, 東京: 岩波書店, 2023年4月. さらに、オンラインで中国・日本で次のような講演・研究発表を行った。飯山知保,「蒙元統治下華北官員家族的文化適應和延續性―以『民國イ縣志稿』和『民國昌樂縣續志』所載的先塋碑為中心」, 第三屆中國文化研究國際論壇, Zoom(中国語), 2022年8月25日; 飯山知保, 「モンゴル時代の記憶と祖先伝承」, 人文研アカデミー2022 オンライン連続セミナー「草原と中国のあいだ-北方王朝(遼・金・元)の興起とユーラシア東方」, Zoomでの開催, 2022年10月21日.
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