• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 研究成果報告書

縁起と歴史のあいだ―エーヤーワディー流域前近代社会の地方史について―

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 17K03150
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 アジア史・アフリカ史
研究機関愛知大学

研究代表者

伊東 利勝  愛知大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60148228)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードヤーザウィン / タマイン / 縁起 / 国民国家 / 近代歴史学 / ネイション / エトニ
研究成果の概要

近代歴史学は,実証的科学的手法により厳正中立の実態を描き出すとして,その真正性を示すとしつつ,民族をアクターとする歴史叙述を生み出したことを,エーヤーワディー流域地方における,過去に関する語りとしての王統記(ヤーザウィン)や縁起(タマイン)などが,近代の国民国家史へと読みかえられていく過程を検討することにより,明らかにした。
それまで過去は,世の道理を説くためのものであったが,19世紀中期植民地権力によって導入された修史により,「ビルマ族の歴史」や「モン族の歴史」などを描くためのものになった。その結果,ミャンマー全体史はこれら諸民族による抗争の歴史として理解されるようになる。

自由記述の分野

東南アジア社会経済史

研究成果の学術的意義や社会的意義

現代社会の民族問題や国民国家間の抗争は,民族が前近代の「エトニ」を核として成立したという根源的紐帯説を乗り超えない限り,解決の糸口を見出すことはできそうにない。本研究では,ミャンマーにおける過去についての語りは,民族名を冠することなく,王や領主の事績を記すことにより因果応報,盛者必衰の理を説く縁起から,ネイションやエスニシティの歴史を描くものに変化したことを明らかにしたことにより,前近代における「エトニ」の存在は,近代になって成立したネイションが生み出した言説であることを証明した。

URL: 

公開日: 2024-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi