研究課題/領域番号 |
17K03163
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 杉子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80324888)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ユグノー協会 / 歴史意識 / ブラウニング / ジロー / ヴァルド派 |
研究実績の概要 |
令和2年度はコロナ感染状況の拡大の影響で、研究は思うように進められなかった。予定としては、イギリス・ユグノー協会の設立に貢献したブラウニング(18世紀初頭に渡英した先祖の名はジロー)が、ケント州ファーヴァシャムの地域社会の様々なヴォランタリ・アソシエイションにおける活動を調査・精査したかったのだが、渡航はできず、またイギリスの文書館・図書館も閉鎖してしまったので、それはほぼ停止状態である。渡航もままならず、またファーヴァシャムの歴史協会の発行する雑誌等の取り寄せもできなかった。 また、大学での授業、チュートリアルや会議そして期末試験等が全てオンラインになったのに対応するのにも、大変な時間がかかった。学年の前半は、オンライン化のために全くの研究停止状態であった。 しかし、秋学期に入り、多少、オンラインでの授業や会議に慣れてきたところで、これまでの研究を振り返る時間も作れるようになった。インターネットの古書店を通じて入手した三冊のファーヴァシャムの歴史協会機関誌によって、19世紀ファーヴァシャムが爆薬生産で繁栄し、ジロー一族もそこに関わっていたことが確認できた。また、インターネット上で、ブラウニングによるユグノーの歴史紹介を見つけることもできた。 さらにブラウニングの先祖であるウィリアム・ヘンリー・ジローについて、これまでの調査の成果とロンドン大学や東大のデータベースに基づいた論文を作成し、イタリアのヴァルド派研究雑誌 Riforma e Movimenti Religiosi に寄稿することができた。これは今年度中に発行予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染症拡大のため文書館・図書館や研究会も停止状態となり、資料収集を進めることもできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
環大西洋世界でのユグノー・ネットワークの影響を検討する予定であったが、現在のコロナ禍では北米のユグノー協会の資料収集を断念せざるを得ない。残された科研の研究期間においては、二次文献も利用しながら、19世紀の「歴史意識」の高まりの中で、亡命ユグノーの子孫であるブラウニングを中心に市民レヴェルでの歴史学的学術団体の成立とイギリスを超えたそれらの団体のネットワークについてを検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症の拡大により、ヨーロッパでの資料収集が中止となったため、研究が大きく遅れた。次年度後半に渡欧を考えてはいるが、これ以上、研究を遅らせることができないので、研究は二次文献とデータベースを中心に進めていく予定である。助成金は主に史料購入とネット周辺機器に使用することになるだろう。
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