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2022 年度 研究成果報告書

近世近代移行期環大西洋世界におけるユグノー・ネットワークの影響

研究課題

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研究課題/領域番号 17K03163
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ史・アメリカ史
研究機関東京大学

研究代表者

西川 杉子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80324888)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードネットワーク / 宗教 / ユグノー / 記憶 / ファミリー / 連帯運動
研究成果の概要

本研究は、18世紀後半ブリテン諸島におけるユグノーの子孫の役割を具体的に解明することに努め、次の新たな知見が得られた。18世紀中葉に活躍したユグノー亡命者の子孫は、イングランド社会の上層部に同化したものも多いが、困窮した同胞のために救貧委員会およびユグノー救護院の運営に積極的に関わり、アイデンティティとネットワーク、そしてヨーロッパ・プロテスタントとの連帯運動の記憶を保っていた。これらの特性は19世紀中葉にも受け継がれて、近代歴史学の発展の中で強く意識されるようになり、ユグノー研究の中心的学術団体ユグノー協会の設立(1885)につながったことが確認できた。

自由記述の分野

西洋史

研究成果の学術的意義や社会的意義

ユグノー救護院に関わるユグノーの子孫が、ユグノー協会の設立にも関わっていたことは比較的よく知られている。しかし、17世紀末のユグノー亡命者の記憶とネットワークが、18世紀中葉、イギリスのエスタブリッシュメントに属するようになったユグノー子孫に受け継がれて複数のプロテスタント救援活動を支えたこと、またさらにその子孫が、19世紀の近代歴史学成立・展開の中で、ユグノー協会の設立を行なったことは、これまで明らかにされてこなかった。本研究が、18世紀中葉のユグノー第二世代の活動を具体的に解明し、その記憶の継承を裏付けたことは、ユグノー研究、宗教が核となったアイデンティ、記憶の歴史の観点からも意義がある。

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公開日: 2024-01-30  

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