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2020 年度 実績報告書

『悦楽の園』にみる12世紀ヨーロッパのダイアグラム的思考術とその波及

研究課題

研究課題/領域番号 17K03165
研究機関東京外国語大学

研究代表者

千葉 敏之  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20345242)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードヨーロッパ史 / 中世 / 写本研究 / ダイアグラム / 女子修道院 / 12世紀ルネサンス
研究実績の概要

本研究計画「『悦楽の園』にみる12世紀ヨーロッパのダイアグラム的思考術とその波及」は、12世紀末にアルザスの女子修道院ホーエンブルクで編纂された百科全書的編纂物『悦楽の園』内のダイアグラム頁の構成を手がかりに、パリ大学をハブとして流通したダイアグラム写本の波及経路をヨーロッパ全域にわたって跡付けるとともに、12世紀ルネサンス期に固有の、パリ大学を拠点に育まれた思考術(ダイアグラム的思考術)の内容・形成過程を明らかにすること、またパリ大学を経由してアルザスに向かったこの思考術を最も良く体現する『悦楽の園』を、ホーエンブルク修道院における女子修道士の生活・信仰実践との接合という観点から再読することによって、12世紀ルネサンスの知的達成が波及先の地方においていかに受容されたか、その実態を解明しようとするものである
4年目、最終年度の令和2年度は、新型コロナ禍による海外渡航制限のため、当初の計画のような調査は不可能であった。そこで方針を転換し、前年度までに収集できなかった研究文献・刊行史料の発注を行なった(「ダイアグラム関係図書④」)。さらに、これまでの海外調査の成果をまとめつつ、主たる対象であるアルザス地方(ホーエンブルク修道院)に加え、計画実施の過程で新たに浮上した拠点施設についての分析を進めた。また、特に女子修道院における写本制作に関する研究を進め、それらの修道院に土地や資金を提供した貴族女性について、研究文献および史料にあたっての分析を進めた。新型コロナ禍により大きく構想を修正したため、当初計画していた総括論文をまとめるに至らなかったが、今後成果を総括する論文の執筆を速やかに進め、次年度に学会で報告することを視野に入れて準備を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 歴史の転換期5 気候不順と生存危機2021

    • 著者名/発表者名
      千葉敏之
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      山川出版社

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公開日: 2021-12-27  

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