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2020 年度 研究成果報告書

『悦楽の園』にみる12世紀ヨーロッパのダイアグラム的思考術とその波及

研究課題

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研究課題/領域番号 17K03165
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ史・アメリカ史
研究機関東京外国語大学

研究代表者

千葉 敏之  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20345242)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードヨーロッパ中世 / ダイアグラム / 思想史 / 悦楽の園 / 書物史 / 文化史
研究成果の概要

本研究計画では、『悦楽の園』所収の挿絵を含む図版346点のうち、ダイアグラムを含む頁をリストアップし、関連する収録テクストとの対応関係を確認しつつ、ダイアグラムの構成や目的に応じた類型に分類し、基礎データとした。そのうえで、ホーエンブルク女子修道院とその文化圏における12世紀後半の蔵書状況を蔵書リストや書簡をもとに分析した。また、『花樹の書』などのダイアグラム入り詞華集だけでなく、キケロ著『スキピオの夢』を註解したマクロビウスの写本などの継続転写型の写本群の転写・蔵書状況を調べた。その結果、パリ大学を中継点とするダイアグラム写本の波及経路のうちアルザスに至るルートをほぼ確定することができた。

自由記述の分野

西洋史学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究計画の意義は、第一に、歴史家・思想史家が注目するテクスト部分や、美術史家・写本研究者が着目する挿絵ではなく、テクストと図像が組み合わされたダイアグラム頁に目を向けた点にある。また、1冊の編纂物/アルザスの一修道院というミクロな世界から出発して、12世紀ルネサンス期のパリをハブとする最先端の知的成果の全欧的な波及というマクロな問題を踏まえつつ、12世紀ルネサンスという広域的な文化・社会運動がアルザスの一修道院共同体という極小世界の生活・宗教実践に受容されていた事実を指摘し、そのルートの一つを明らかにした点にある。

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公開日: 2022-01-27  

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