研究課題/領域番号 |
17K03170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 彰一 名古屋大学, 高等研究院, 名誉教授 (80131126)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 青銅器時代後期 / 北東ヨーロッパ / 先史時代研究 / 琥珀交易 / ブルクテリー族 / 西ローマ帝国の崩壊 / キルデリクス一世 / 世界システム |
研究成果の概要 |
本研究の課題での研究成果を、一冊の著書として短期間のうちにまとめることができた。著書の表題は『フランク史1.クローヴィス以前』であり、名古屋大学出版会から総ページ数400頁の著書として出版された。この書物は3部立てで、第一部「起源の地を求めて」と題して、全4章で、先史時代からローマ初期までのゲルマニア世界を東地中海世界との交渉と琥珀取引に焦点を当てて論じた。第二部は「フランク同盟の盛衰」と題して、全3章をあてて、第三部が「フン族の影の下で」と題し、3章を費やして、カタラウヌムの闘いまでフン族に支配のもとにおかれたフランク集団の様相を明らかにした。
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自由記述の分野 |
西洋中世初期史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究によって、一般にゲルマン民族と称されている「民族」の先史時代の様相を、一つには彼らの活動が青銅器時代まで遡る東地中海世界との交渉が明らかになったことと、「北の黄金」と称された琥珀取引にフランク同名の核となったブルクテリー族が関わっていて、2世紀中頃のマルコマンニ戦争の渦中で、その主戦場となったパンノニアで、同盟の形成がなされたことを明らかにした。後のメロヴィング朝の開祖になったキルデリクス一世は、フン族の服属下に入り、フン滅亡のけいきとなったカタラウヌヌムの戦いの後、ガリアに帰還し、フランク人を束ね他のであり、彼は通説で言われるサリー・フランク族ではなく、ライン・フランク人であった。
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