第一次世界大戦の戦死者追悼の問題は、日本では国民国家の観点から戦死者の顕彰の場として位置づけら、「国家のために死ぬこと」を軸に考察されてきたが、イギリスにおける研究成果をフォローすることでまずは「悲しみの場」として位置づけ、その上で「顕彰の場」として理解すべきであると提言した。また、新聞史料を利用して当時の人々の心性にまで迫る「戦死者追悼の社会史」を目指した。研究対象をロンドン・シティに限定することで、地域コミュニティの観点から戦争記念碑を考察することで、記念碑研究の方向性を提示した。 今日、現実に戦争が起こるような状況下で、戦死者追悼という視点から戦争について考える手がかりを提示した。
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