本研究の学術的意義は、第一に冷戦期アメリカ社会の実像として1950年代アメリカの革新的な側面を、難民政策・支援と難民の社会運動を切り口として明らかにしたことである。第二にアメリカ合衆国における難民支援の産学官民連携と協力体制のしくみを解明したことである。第三に適切な支援を受けることによって、難民が受入れ社会の市民や組織と連携してその社会に肯定的な影響を与え、社会変革の主体となりうることを示した点である。本研究の社会的意義は、アメリカの難民史研究と社会史研究に対して新たな知見を与え、現在、世界的な課題となっている難民受入れと難民支援に対して、歴史的な視点から課題の解決方法を示したことである。
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