研究課題/領域番号 |
17K03190
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
内村 俊太 上智大学, 外国語学部, 准教授 (90710848)
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研究分担者 |
立石 博高 東京外国語大学, その他部局等, 学長 (00137027)
宮崎 和夫 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (40251318)
高澤 紀恵 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80187947)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 政治社会 / 複合君主政 / 社団的編成 |
研究実績の概要 |
平成29年度の研究実績としては、本科研に参加する研究代表者・研究分担者・研究協力者による定例研究会を2回開催した(2017年11月、2018年3月)。これらの研究会を通じて、16、17世紀におけるスペイン・フランス両国家における王権・政治社会関係のあり方、また統治理論の特徴について、個別の事例分析を通じた知見の蓄積・共有が可能になった。その成果は、研究組織構成員による図書(共著)5本(うち翻訳1本)、研究論文2本、学会発表2回を通じて公にされた。また本年度の作業成果として、本科研に所属する研究者5名による論文集が2018年4月に公刊される予定であり、それを通じて、我が国の歴史学界にスペイン、フランスの近世国家の構造と特色についての議論を問う。 また、平成29年度には研究協力者1名をスペインに派遣し、スペイン国立図書館、スペイン国立歴史文書館およびシマンカス文書館での史料調査を行った(2018年2月)。いまだ手稿の状態で保管されている割合が高い16、17世紀のスペイン・ポルトガル関係に関わる貴重な史料にアクセスできたことにより、スペイン近世国家の構造解明にとって不可欠であるスペイン・ポルトガル合同期(1580~1640年)についての王権・政治社会関係の分析が大きく進展することが期待できる。 以上のように、平成29年度の研究実績としては、研究組織構成員による個別事例の分析とその研究成果の公表、および現地での史料調査の実行によって、3カ年での共同研究の基礎が確立できたといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度には定例研究会をつうじての共同研究者間での議論の共有が進んだだけでなく、スペインでの史料調査も着実に進み、今後の研究の深化の基礎ができたと言える。また平成30年4月には大半の研究組織構成員が参加した論集が公刊され、研究成果の公表と学界への問題提起が一定程度進むことになる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度においても定例研究会、現地(フランスを予定)での史料調査等をつうじて共同研究の進展を図る。また本共同研究は3カ年の計画であるため、最終年度に向けて各自の研究成果の取りまとめを視野に入れながら、研究を深化させる。 また平成30年度も引き続き、竹下和亮(国際基督教大学アジア文化研究所研究員)、久木正雄(慶應義塾大学他非常勤講師)を研究協力者として迎え、フランス・スペインの王権・政治社会関係の共同研究にあたる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度における研究分担者1名の国外滞在期間が長く、分担金(150,000円)を使用できなかったこと、研究代表者名義で海外取り寄せ中の書籍の到着が年度内になるかどうかが不明でありその納入後の支払い用に資金の余裕を残さざるを得なかったこと、以上の2点による。
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