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2021 年度 実施状況報告書

ジャコバン独裁末期におけるロベスピエールとパリの世論

研究課題

研究課題/領域番号 17K03191
研究機関成蹊大学

研究代表者

松浦 義弘  成蹊大学, 文学部, 客員研究員 (60229416)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードロベスピエール / パリの民衆 / 民衆運動 / フランス革命史研究 / 民衆の言説=意見
研究実績の概要

本研究は、ロベスピエールの言説を検討するだけでなく、ロベスピエールの言説がとくにパリの民衆によってどう受け止められていたのかを検討することによって、ロベスピエールの権力掌握と失墜の問題をパリの「世論」という新たな視角から解明することを目的とする。この目的を達成するため、本研究では、長期に渡仏し、国立文書館などでロベスピエールに関するパリの民衆の意見=言説を蒐集することが不可欠の作業となる。
2021年度は、これまで継続してきた作業に区切りをつけるべく、夏期休暇を中心にできるだけ長期に渡仏し、国立文書館などで史料の蒐集と分析をおこない、その成果の一部を公表する予定であった。しかし、2021年度を通して新型コロナウイルスが猛威をふるい、渡仏が不可能となったため、当初予定していたフランスでの史料の蒐集と分析がまったくできなかった。このため、この史料調査にもとづく成果の公表も叶わなかった。
以上のように、2021年度は、フランスでの史料調査とそれにもとづく成果も公表できなかったが、その代わりに二つの作業をおこなった。一つは、Timothy Tackett, When the King Took Flight, 2003の翻訳であり、もう一つが、『岩波講座世界歴史第15巻』の「フランス革命論」(仮題)の執筆である。いずれの作業もまだ継続中であり、2021年度中に具体的成果として公表することはできなかったが、2022年度中の公表をめざして鋭意努力中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2021年度は、これまで継続してきた作業に区切りをつけるべく、夏期休暇を中心にできるだけ長期に渡仏し、国立文書館などで史料の蒐集と分析をおこない、その成果の一部を公表する予定であった。しかし、周知のように、2021年度を通して新型コロナウイルスが世界的に猛威をふるい、渡仏が不可能となったため、当初予定していたフランスでの史料調査がまったくできなかった。このため、フランスでの史料調査にもとづく成果の公表も叶わなかった。その代わりに日本ではまだ紹介されていないTackettの著作の翻訳や依頼された論文の執筆などの作業をしたが、本研究課題の進捗という点では、大きく遅れていると評価せざるをえない。

今後の研究の推進方策

ロベスピエールの言説がパリの民衆によってどう受け止められていたかを検討する本研究の遂行にとって、フランスでの史料調査が不可欠である。2021年度は、新型コロナウイルスが猛威をふるい、フランスでの史料調査も事実上不可能であったが、現在は感染者数が高止まりの状態が続いているもののコロナをめぐる規制は大幅に緩和されつつあり、渡仏が可能な状態になっている。ただし、まだ感染者数は多いので、夏期休暇ではなく春期休暇に渡仏して、フランスでの史料調査を継続したいと考えている。その間、印刷・刊行史料をさらに丹念に読み、分析することは続けたいと思っている。

次年度使用額が生じた理由

2021年度を通して新型コロナウイルスが世界的に猛威をふるい、渡仏が不可能となったため、当初予定していたフランスでの史料調査がまったくできなかった。このため、史料調査のために予定していた助成金が未使用となり、次年度使用額が生じた。
ロベスピエールの言説がパリの民衆によってどう受け止められていたかを検討しようとする本研究にとって、フランスでの史料調査は不可欠であるが、新型コロナウイルスをめぐる規制は大幅に緩和されつつあり、フランスでの史料調査が可能となる状況が生まれつつある。ただし、フランスでの感染者数はまだ高止まりの状態にあるため、念のため夏期休暇ではなく年度末の春期休暇に渡仏してフランスでの史料調査を進め、次年度使用額を使用したいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] アントワーヌ・リルティ(松村博他訳)『セレブの誕生―「著名人」の出現と近代社会』2021

    • 著者名/発表者名
      松浦義弘
    • 雑誌名

      西洋史学

      巻: 271 ページ: 90-92

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公開日: 2022-12-28  

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