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2020 年度 実績報告書

アメリカのパブリックアート政策と全米芸術基金・連邦施設管理庁

研究課題

研究課題/領域番号 17K03196
研究機関中部大学

研究代表者

河内 信幸  中部大学, 国際関係学部, 教授 (40161278)

研究分担者 福島 崇宏  松蔭大学, 経営文化学部, 講師 (50778389)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード全米芸術基金 / 連邦施設管理庁 / 傾いた弧 / 公共性 / パブリックアート / アカウンタビリティ
研究実績の概要

全米芸術基金と連邦施設管理庁のリードによって、それまで順調に成長してきたアメリカのパブリックアート政策は、1980年代後半になると大きな転機を迎える。連邦・地方政府、各自治体により公金を充てられてきたパブリックアートが果たしてどれほどの「公益性」を持っているのか、パブリックアートに市民社会が求める「公共性」とは何かをめぐり、その政策の意義が厳しく問われる時代となった。このような1980年代まで視野を広げ、本研究課題のまとめを行った。
パブリックアート政策のターニングポイントとなったのは、1981年にマンハッタンのフェデラルプラザに完成したリチャード・セラ(Richard Serra)による『傾いた弧』(Tilted Arc)の撤去事件であった。この事件は、コミッションを依頼した公共機関である連邦施設管理庁のみならず、パブリックアート政策に補助金を出す全米芸術基金をも政治的に困難な状況に陥らせる大論争へと発展した。この事件を契機にして、パブリックアート政策のアカウンタビリティは大きく問われ、その後の議論はパブリックアートに留まらず、“文化戦争”の論争にまで広がりを見せていくのである。
パブリックアート政策の転換を促す“カウンター・パート”となったのは、コミュニティでの“グラス・ルーツ”的なアーティストの表現活動であった。彼らは、次のような点を問いかけた。第一は「誰が作品の価値を判断するか」という点であり、市民に理解されない抽象モダン彫刻を公共空間に相応しい作品であると判断するのは誰かということである。第二は「市民とは誰なのか」という点であり、「サイト・スペシフィック」の概念は、そこに生活する人々の特性や多様性、さらに土地の歴史的・社会的・文化的特性を含んでいるべきであるということである。こうした点は、「公共空間の文化表現を決定する主体は誰か」という問題でもある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 1937年恐慌とニューディール政策2021

    • 著者名/発表者名
      河内信幸
    • 雑誌名

      GLOCAL

      巻: 18 ページ: 8-10

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ニューディールの転換と1937年恐慌―ニューディール政策は成功したか―2021

    • 著者名/発表者名
      河内信幸
    • 学会等名
      中部大学大学院国際人間学研究科・教員研究会

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公開日: 2021-12-27  

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