研究実績の概要 |
2020年度はコロナウイルス感染拡大防止のため、海外出張を実施できなかった。国内での調査は引き続き行なった。一方、zoomなどによるオンライン会議やオンラインの講演会の利用が一般的となり、特に2019年度に出版した単著などに関する講演会や書評会、公開講演などを行なった。 2020年9月19日に、彦根から出た移民に関する資料を収集するため、カナダ生まれで1946年にカナダからの国外追放政策で日本に永住帰国した兄弟であるI氏とともに、彦根市立図書館、及びI氏の滋賀の故郷を訪ね、地元の寺院の僧侶から聞き取り調査を行なった。 日系カナダ人の歴史に関する研究成果を一般に広げる活動として、10月3日に「日系カナダ人通史の刊行と新たな研究の課題」と題し、マイグレーション研究会でZoomによる研究会発表をした。また10月15日に上智大学アメリカカナダ研究所『著者と語るシリーズ』で、拙著『日系カナダ人の移動と運動』をzoomで紹介。10月23日には、ビクトリア大学のJordan Stanger-Ross教授とともに、“Midge Ayukawa Commemorative Lecture において、拙著 The Rise and Fall of America’s Concentration Camp Law: Civil Liberties Debates from the Internment to McCarthyism, and the Radical 1960s (Temple UP, 2019)、および Jordan Stanger-Ross, eds. Landscapes of Injustice: A New Perspective on the Internment and Dispossession of Japanese Canadians (McGill-Queen’s University Press, 2020)の合同書評会を行なった。また、12月28日には、和歌山アメリカ村Canada Museum公開オンライン講座「移民でつながる Vol.1」において、日系カナダ人の戦前の歴史を主に和歌山県人を中心に解説した。
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