研究課題/領域番号 |
17K03200
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
星乃 治彦 福岡大学, 人文学部, 教授 (00219172)
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研究分担者 |
今井 宏昌 九州大学, 人文科学研究院, 講師 (00790669)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | カール・アレクサンダー / 日独関係史 / 外交史 / 連邦制 / クィア / 明治国家 / 文化史 / 皇室外交 |
研究実績の概要 |
2018年度も引き続き、ドイツ側研究者との交流と研究基盤の整備を中心に、研究を遂行した。前年度に準備に携わったイエナ大学、ヴァイマル古典財団、テューリンゲン州立文書館による展示「菊と鷹:カール・アレクサンダーと日本ーヴァイマル・イエナ・東京(Chrysantheme und Falke. Carl Alexander und Japan - Weimar ・ Jena ・ Tokyo)」が5月4日から7月1日にかけてヴァイマルの城博物館にて開催された。これには研究分担者である今井が来賓として参加し、イエナ大学文書館長ヨアヒム・バウアー教授をはじめとする現地研究者と交流するとともに、イエナ大学文書館やヴァイマル州立中央関係資料の調査をおこなった。また8月には研究代表者である星乃がイエナ大学とベルリン日独文化センターを訪問し、資料収集とともにバウアー教授らと研究打ち合わせをおこなった。また国内では、10月から3月にかけて今井が東京の国立国会図書館や徳島の鳴門市ドイツ館で調査をおこなった。 成果としては、日本における近代化のモデルがなぜ「ドイツ一辺倒」になったのかについて、星乃が共著論文を発表したほか、10月27日に開催された九州歴史科学研究会10月例会・九州西洋史学会秋季大会(合同)シンポジウム「近代日独関係における文化と外交」において、今井が「ドイツ兵俘虜をめぐる文化交流:第一次世界大戦期久留米俘虜収容所を事例に」と題する報告をおこない、星乃がコメントをおこなった。さらに日独比較史という観点では、3月30日に開催された第29回西日本ドイツ現代史学会・合評会「佐藤卓己『ファシスト的公共性 ―総力戦体制のメディア学―』(岩波書店、2018年)をめぐって」において、星乃と今井がコメントをおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は研究基盤の整備に手間取ったものの、2018年度はドイツでの展示会開催をはじめ、関連する成果を複数世に問うことができた。特に展示会に関してはドイツの地元メディアでも大々的に報じられ、2020年中にイエナ大学を中心として関連するテーマの論集を刊行する計画が進んでいる。これには星乃・今井もドイツ語の論文を寄稿する予定である。 ただ、当初予定していたイエナ大学文書館長ヨアヒム・バウアー教授の招聘と国際シンポジウムの開催については、先方の都合があわず、来年度に見送らざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度が最終年度となるため、研究の総括をおこなうとともに、2020年にドイツで刊行予定の日独関係史論集にその成果を寄稿する。またイエナ大学からバウアー教授を招聘し、国際シンポジウムを開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたイエナ大学文書館長ヨアヒム・バウアー教授の日本招聘と国際シンポジウムの開催が、先方の都合により延期となったため、旅費をはじめ全体として支出が減った。2019年度への繰越分はバウアー教授の招聘とシンポジウムの開催にあてる。
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