本研究では,北欧にアジア産貿易陶瓷器が運ばれた実態を明らかにすることを目的とした。研究方法として,1745年にスウェーデンのイェーテボリ沖で沈んだスウェーデン東インド会社のイェーテボリ(Gotheborg)号出土資料,および1752年に南中国海で沈んだオランダ東インド会社のヘルデルマルセン(Geldermalsen)号の資料を実見して比較を行ない,詳細に分析した。また,デンマークのコペンハーゲン市出土アジア産陶瓷器について全破片の写真記録を行なった。 その結果,アジア産陶瓷器のヨーロッパ内での流通の境界域である北欧において基礎資料を提示し,問題提起することができた。
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