| 研究課題/領域番号 |
17K03215
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| 研究機関 | 明治大学 |
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研究代表者 |
須賀 博子 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (90760786)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 縄文時代 / 遺跡群 / 居住 / 生業 / 小地域 / 低地遺跡 |
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| 研究実績の概要 |
本年度はまず、内陸部である印旛沼西南岸地域に半径５キロの小地域を設定し、縄文中期～後晩期の遺跡群について、集落のみならず集落外の活動地点も含め、変遷を纏めた。その結果、従来、大形の定型的な環状集落が崩壊し集落が減少するとされた中期末葉期にも、本地域では集落の数自体はむしろ増加することを確認した。
また、関東東部は、海洋資源が豊富なため中期末葉期でも遺跡の減少が緩やかであったとされてきたが、むしろ、内陸部に集落が進出する地域が存在することを明らかにした。これは、海洋資源よりも内陸部の資源利用に生業形態の変化の鍵があることを示唆する点で、重要である。集落外の活動地点の分布についても、その数において、時期差が認められた。各時期の集落外を含めた生業活動の展開を考えていく上で、注目される。
次に、沿岸部である東京湾東岸部に設定した小地域についても、遺跡群の変遷を明らかにするための資料収集を行った。
また、遺跡群内の生業活動について、集落外の活動地点をも含めたあり方を参照するため、分析対象地域の一つである、奥東京湾東岸地域における縄文後晩期の製塩活動について資料の実見、資料化を含め検討した（千葉県道免き谷津・上本郷・茨城県神立平遺跡など）。その結果、台地上集落だけではなく低地にも活動地点があること、その内容は規模などの点で、霞ヶ浦沿岸地域とは異なるといった、生業活動の展開の仕方の一事例と、その多様性の一端を明らかにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である本年は、３カ所設定した小地域のうち、内陸部と沿岸部である東京湾東岸の２カ所について、遺跡群の変遷を明らかにすることを目的にしていた。後者については、分析が残っているが、おおむね計画通りである。
一方、先行的に、生業活動における集落外活動地点のあり方について、予察をすることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き、東京湾東岸と奥東京湾東岸部の遺跡群の変遷についてまとめ、３つの小地域間の比較を行う。その中で、分析の中心となる遺跡については、実資料を実見し、資料化する。
そして、それを踏まえ、大形環状集落以後の遺跡のモデル化、遺跡群構成のモデル化を行っていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた、一部の資料見学とその資料化が、所蔵先の都合などで扱えなかったため、次年度に行うこと。また、東京湾東岸の遺跡群変遷のまとめが、多少残っているためである。
次年度には、東京湾東岸遺跡群の残りの分析と、奥東京湾東岸遺跡群の変遷をまとめるとともに、各地域の遺跡群変遷の理解を補うための資料調査と資料化・報告の作成を進める。
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| 備考 |
明治大学資源利用史研究クラスター成果公開シンポジウム『縄文文化の繁栄と衰退Ⅳ』事前の研究会で、印旛沼西南岸地域の遺跡群について、研究発表を行った。
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