これまでのフィールドワークでは、中国雲南省、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーにかけて、窖窯を用いた焼き締め陶器製作の民族誌の全俯瞰を試みた。これらの地域の現生の窯業村において、インタビューや参与観察を通じて、素地製作、成形、焼成、販売等の製作技術や生産様式を整理し、インドシナ半島での窯構造や造窯技術が異なる4つの地域圏を明らかにできた。また、半島内先発開発国のタイでは、東北部において、19世紀から20世紀にかけての窯跡の発掘調査を通じて、他地域からの技術移転等によって、窯構造が段階的に進化し、焼き締め陶器の大型化や需要の増大に伴って、窯が大型化し、地上化したことを明らかにした。
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