シリコンによる型取りによって、春秋戦国時代の青銅鐘鋳型製作において削り中子法が採用されていたことを明らかにした。この方法により、型持の位置を一定にに保つことが可能となり、さらに器の厚みを一定に維持することが容易となり、規格化されたセットを製作するうえで極めて効率的な作業工程により鋳造されていたことが判明した。 上記知見をもとに鋳造した復元品の音高・音響を測定した結果、鼓部をたたいた場合、叩いてから3秒程度は、遂音と鼓音の2音が併存する状況が確認できた。さらに熱処理をかけた方が混在する時間が短く、一つの音に収斂した残響が続く可能性が高いこともわかった。
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